日本株のスイートスポット近づく? 半導体市況を先読み
2016年は急落後に底打ち、反転上昇
また、半導体需要に着目する観点からOECD景気先行指数(OECD=経済協力開発機構)に目を向けると、こちらも最悪期脱出の兆候が確認できます。世界経済の先行指標として名高いこの指標は2018年入り後から足もとに至るまで一貫して低下を続け、現在の景気減速を象徴する存在となっていますが、グラフをよくみると、その低下ペースが緩くなっていることに気づきます。
そこでもう少し可視的に分かるよう、縦軸に長期平均からのかい離、横軸に6か月前比とった循環図を作図すると、その傾向がはっきりと浮かび上がります。グラフ上の線は反時計周りに動き、現在は右方向へとシフトしています。これは低下のモメンタムが弱くなっていることを意味していますから、これが右側の領域に到達する頃には、指数そのものが反転している可能性が高いといえます。
現在、(1)グローバル製造業PMI、(2)世界半導体売上高、(3)OECD景気先行指数の3つはいずれも下向きのカーブを描いていますが、一方でこれに先立つ形で幾つかのデータは好転の兆候が確認されています。冒頭で筆者が日本株のスイートスポットが近いと言及したのは、前回(1)~(3)の指標が反転上昇した2016年半ば頃の展開が再現される可能性が高いと考えているからです。日本株は2016年前半に急落した後、16年半ばに底打ち、16年後半から上昇しました。
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