【日本市況】株価反発、半導体上昇でアドテスト高値-円安、金利上昇
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為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=148円台半ばに下落。米国で大幅利下げ観測の後退を背景に長期金利が4%台で高止まりしていることに加えて、中国政府による追加の景気刺激策の可能性が意識され、円が売られた。
中国は、12日午前10時(日本時間同11時)に質の高い経済発展の促進に向け、財政政策の逆周期調整の強化に関して記者会見を開く。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、「これまでの対策は不動産中心だったが、政策が弱いということで、まだまだ刺激策をやるということだろう」と指摘。「リスク許容度の高まりに敏感なクロス円を中心に円が売られた」と述べた。
一方、衆院解散に先立って行われた石破茂首相と立憲民主党の野田佳彦代表の党首討論について上田氏は、「市場の注目が総選挙に向かう中で今後の世論調査など見ていく必要がある」と指摘。きょうの相場への影響は限られた。
債券
債券相場は小幅安。米国の長期金利が4%台で高止まっていることや、日本銀行による追加利上げへの警戒感が重しになった。超長期債は前日の30年債入札が順調だったことで堅調となっていたが、その後売られた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは「米金利の上昇基調や日銀の利上げ観測がじわりと回復しているほか、あす5年国債入札を控えて10年以下のゾーンが重い」と述べた。
りそなアセットマネジメントの藤原貴志債券運用部長兼チーフファンドマネジャーは、日銀の植田総裁の9月会合の会見から米国のソフトランディング・シナリオがあれば、日銀は政策を少し動かせると読めるとし、まさに米雇用統計で同シナリオを描ける形になってきたと指摘。短期金利の利上げの織り込みが始まり、債券相場は上値が重いと述べた。
新発国債利回り(午後3時時点)
--取材協力:横山桃花.
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Hideyuki Sano, Saburo Funabiki, Hidenori Yamanaka