桐蔭学園、5度目の優勝 東海大大阪仰星破る 申主将「先輩たちを超えようとしてこそ桐蔭」全国高校ラグビー
◇7日 全国高校ラグビー大会決勝 桐蔭学園40―17東海大大阪仰星(花園) 白いジャージーが魔法のように軽快にパスをつなぐ。極上のトライが生まれたのは前半終了直前だった。相手キックを捕った桐蔭学園WTB草薙のカウンターアタックからSO丹羽が左オープンサイドに思い切って走ると、次々とサポートが湧き出る。ボールはのべ8人の手でつながれWTB西本がトライ。圧巻のパス回しで東海大大阪仰星の勤勉な防御網を攻略すると、後半はさらに4トライをたたみかけた。 40点は桐蔭学園の決勝最多得点。FL申驥世(しん・きせ)主将(3年)は「うれしいです。先輩たちを超えようとしてこそ桐蔭ですから」と声を弾ませた。 関東新人戦では決勝で国学院栃木に、春の選抜は準決勝で大阪桐蔭に敗れた。10月には選手同士で「これで勝てるのか?」と激論もかわした。 「去年のように個人で突破できるチームじゃない」と藤原秀之監督。挑んだのは、より高度な技術を要する、わずかなチャンスから全員でつなぐラグビーだった。 「リスクは覚悟。でもそれをやらないと日本のラグビーは進歩しない」 チームは成長を続けた。準々決勝で優勝候補筆頭の大阪桐蔭を、準決勝では新人戦で敗れた国学院栃木を破り、最後も「決勝で大阪勢に勝つのは初めて」(申主将)と難敵に快勝。挑戦を重ねた末に、5度目の頂点に立った。
中日スポーツ