「定年後のおじさん」の暮らしはなぜくっきりと「明暗」が分かれるのか…その「納得の理由」
占星術上では“風の時代”と呼ばれる、個性や横のつながりが力を持つ今の時代に、中高年が自分らしさを取り戻して生きるには? 発売後1週間で大重版となるほど話題となっている新刊『星読みで才能を見つける本 自分の知らない自分に出会える』(講談社)を上梓した占星術士yuji氏は、定年後こそ社会に合わせて着ていた着ぐるみを脱いで、本来の自分の才能を活かすべきと説く。 【写真】定年後のおじさん、明暗が分かれる意外な理由 取材・文/立花もも 写真/大坪尚人(講談社写真映像部)
風の時代はおじさん革命の時代
――これからの時代、個人の価値観が尊重されて、一般論を強要されなくなるのだとしたら、ものすごく生きやすいなと思うのですが、逆に、みんなで一つの山を登って勝負することに生きがいを感じていた人にとっては、戸惑うことも多そうですね。 「土の時代(*)」に適合していた人にとって、まさに今は試練のときだなと思います(*占星術において権力や経済が力を持つとされる時代。約220年前から最近まで続いていた)。それでも柔軟に対応していける人はいいのですが、ステレオタイプをふりかざして、他人に干渉するのが大好きな人って、残念ながら少なくないですから。 ――自分も含め、年をとるとますます頑固で、融通がきかなくなるのを感じますしね……。 ただ、「風の時代」というのは、今までてこでも動かなかったものが、根っこから揺らされるような強風の吹く時代でもあるんですよ。いわゆる「百匹目の猿現象」というやつです。集団において、一定数の個体が思考・行動を変化させると、いつのまにか残りの個体にも伝播して変化が起きている。そうなるとね、実は真っ先に変わっていくのが「おじさん」だと僕は思っているんです。風の時代は、おじさん革命の時代だと。 ――おじさん革命! 僕のクライアントに、占星術は好きだけどおおっぴらには言えない、という中高年男性が一定数いらっしゃいます。馬鹿にされるとか、あやしまれるとか、理由はいろいろあるんですけど、女性よりも男性、とくに年配の方のほうが、そうしたものに抵抗があるんですよね。 でもあるとき、喫茶店でお茶していたら、サラリーマン風の2人組が「これからは風の時代がくるらしいよ」と話しているのが聞こえてきて。誰かから聞いたのか、ネットや書店で見たのかわかりませんが、これはすごいことだなと思いました。そんなふうに、社会人として信頼性のありそうな人たちがその言葉を採用していくだけで、ポピュラーになっていくってことがあるんです。