<ここに注目>天理、右腕・達に絶大な信頼 宮崎商どう揺さぶる 選抜高校野球
◇第2日第1試合 宮崎商vs天理 天理の投手力と宮崎商打線の対決構図になりそうだ。 【写真】センバツ応援ポスターに小泉のんさん 天理の右腕・達孝太(3年)は2020年秋の奪三振率が、今大会出場校の主力投手で4位の11.77。与四死球率も同5位の1.56で、制球力もある。193センチの長身から投げ下ろす速球と落差のあるフォークにカウントを稼ぐスライダーとカーブを織り交ぜ、攻略するのは容易でない。 宮崎商は九州大会準々決勝で2打席連続本塁打を放った中村碧人(同)、バットコントロールが巧みな西原太一(同)が打線の軸。下位打線も勝負強く、20年秋は公式戦9試合で計74得点を奪った。中村、西原とも右打ちだが左打者が多く、「達対策」に注目だ。 天理の中村良二監督は達に絶大な信頼を置いており、先手を取れれば試合運びがぐっと楽になる。ただ、宮崎商は九州大会3試合で計6失点。強力打線の陰に隠れがちだが、多彩な変化球を操るエース右腕・日高大空(同)を柱に投手陣も計算できる。中村監督は伝統の強打のイメージとは異なり、機動力を絡める攻撃を目指しており、スクイズなどの小技で揺さぶりをかける局面もありそうだ。宮崎商は0―2で敗れた九州大会準決勝では3失策した守備陣だが、落ち着いた守りでバッテリーを支えたい。【野村和史】
宮崎商 守り勝つ野球でセンバツ初勝利狙う
2020年秋は公式戦9試合で計74得点、チーム打率3割1分1厘と打力が目立ったが、チームが目指すのは守り勝つ野球だ。九州大会3試合はいずれも3失点以内に抑えた。 全9試合に登板したエース右腕の日高大空(3年)は1完封を含む2完投、防御率2.02と役割を果たした。最速138キロの直球と、スライダーなど4種類の変化球を低めに集めて、打たせて取る。 打線の中心は、そろってチームトップの10打点を挙げた中軸の中村碧人(同)と西原太一(同)の右打者2人。中村はパワーが魅力、西原は広角に打ち分ける技術が光る。 九州大会準決勝では内野安打1本のみに終わり、完封負け。この反省を生かし、冬は打撃を強化。多い時には1日800スイング以上をこなしてきた。 甲子園では1964年夏に4強入りしたが、過去2回の春はいずれも初戦で敗退。センバツ初勝利へ向けて、宮崎商OBでもある橋口光朗監督は「野球部の新たな歴史を作りたい」と意気込む。【黒澤敬太郎】