<ここに注目>天理、右腕・達に絶大な信頼 宮崎商どう揺さぶる 選抜高校野球
宮崎商・中村碧人(あおと)主将の話
(対戦相手の天理は)伝統校で、良い投手がいると聞いている。自分たちは守備からリズムを作り、打撃につなげるチーム。52年ぶりのセンバツ、一戦ずつ戦い抜きたい。
校訓は「克己求道」 甲子園に春2回、夏4回出場
宮崎商 1919年に宮崎町立商業学校として設立され、移転を経て57年に県立の現校名で再設立。商業科、国際経済科、経営情報科、経営科学科の4科があり、大淀川沿いの立地を生かしたカヌー部や簿記部の活動も活発。校訓は「克己求道」。 野球部は開校と同時に創部。甲子園には春2回、夏4回出場し、64年夏は4強。センバツ出場の66、69年はいずれも初戦敗退。甲子園初出場だった63年夏のユニホームデザインを継承し、ソックスの横線は甲子園出場回数を表す。主なOBに元広島で首位打者、阪急で打点王にも輝いた水谷実雄さんや、元ヤクルト投手の赤川克紀さん。
「自分たちの野球を貫いて」OBの赤川克紀さん
昨秋の九州大会を勝ち上がる様子は、すごい活躍だなと思ってネットで見ていました。コロナの状況もある中で乗り越え、センバツ出場をつかんだことはOBとして非常にうれしく、また同じ現役(軟式野球クラブチーム「東京ヴェルディ・バンバータ」所属)として後輩には負けてられないなと元気をもらいました。 自分は2008年の夏の大会に出場しましたが、春はレベルも高く戦力が拮抗(きっこう)する大会。初戦の天理戦はプロ注目の選手もいると聞くので厳しい相手だとは思いますが、自分たちの野球を貫き通してほしいと思います。 全国の強豪との力試しの機会。甲子園球場での試合をぜひ楽しんでほしい。それが結果につながるのでは。全力で頑張ってもらえればと思います。応援しています。
天理・中村監督「1点取れれば勝機はある」
伝統の攻撃的スタイルとは、ひと味違う。エース右腕・達孝太(3年)を軸に失点を最小限にとどめて、小技を絡めながら効率良く得点するしぶとい試合展開を描く。 身長193センチの達は最速146キロの直球に落差のあるフォークが持ち味。スライダーも制球良く操り、奪三振能力の高い万能型だ。「全ての試合でクオリティースタート(6回以上を投げて自責点3以下)が目標」と力を込める。 打線は2020年秋に打率5割超をマークした1番・内山陽斗(同)と、下級生から主力の4番・瀬千皓(同)が軸になる。19年秋は計20本塁打の伝統の強打で近畿大会を制したが、昨秋は計4本塁打、チーム打率3割2分7厘と平均的だ。主将の内山は「長打や連打は難しい打線。細かい野球で終盤勝負に持ち込みたい」と現状を見つめる。 一方、昨秋の奈良大会決勝では後に近畿王者となる宿敵・智弁学園を終盤に突き放して快勝するなど地力はある。中村良二監督は「投手は計算できるので、1点取れれば勝機はある」と手応えを語る。【長宗拓弥】