【新潟2歳S】出世レースに素質馬が集結 勝ち馬と2・3着馬で異なる傾向とは?/長岡一也
【長岡一也=コラム「競馬白書」】 ◆新種牡馬サートゥルナーリアの産駒に期待 新潟2歳Sは、出走馬のキャリアがまだ浅く、せいぜい1戦か2戦で、しかも直線が長いワンターンのコースなのでだいたいがスローペースになっている。 【写真】コートアリシアンのこれまでの軌跡 前後半の4ハロンを見ると、後半が最大3秒ぐらい速くなっており、この10年を見ても9年もがそうなっていた。 ただ1回だけ前後半が47秒3のイーブンペースだった2020年は、気性のムズカシイ馬のハヴァスが好スタートを切り、力むような走りで後続を引き離して大逃げを打つかたちとなって、直線半ばでバッタリ止まっていた。稀なケースと言っていいだろう。 それと全国各地でデビューしてここに集結しているのだが、この10年の勝ち馬は、前走新潟だった馬が5頭、中京が3頭、東京が2頭で、全てが左回りで勝っていたという共通点がある。 それとコースの形態から直線で末脚を伸ばせるタイプでないと苦しい。勝ち馬の条件としてこの点は重要なのだが、前走マイルを勝っていたものが8頭、1400米を勝っていたものが2頭なのだが、この2頭とも上がり3ハロン、33秒台の脚を使っていた。やはり末脚がいいかどうかも大きなポイントと言える。 これが2着馬となると少し違ってきて、前走が1800米1着だった馬が5頭もいるのだから面白い。しかもこのうち3頭が2戦目で勝っていたのだ。この中には右回りの福島で勝ったものが2頭いる。 この例のように2、3着まで広げると、勝ち馬とは違うものが見えていて、そこが新潟2歳Sの妙味のあるところと言える。 今年の顔ぶれを見ると、目を引くのが新種牡馬サートゥルナーリアの産駒、コートアリシアンとマジカルフェアリーの2頭の牝馬だ。サートゥルナーリアは、父ロードカナロア、母シーザリオで現役時代はホープフルSと皐月賞を勝っていた。37頭いる新種牡馬のうち産駒の登録が100頭を上回っているのは4頭だけで、その中で142頭が登録しているサートゥルナーリアは一番の期待を集めている。 この2年、新潟2歳Sはアスコリピチェーノ、キタウイングと牝馬が2連勝しており、この流れを受けてコートアリシアン、マジカルフェアリーに注目したい。特に東京のマイルで5馬身差で新馬戦を勝ったコートアリシアンは、上がりも最速をマークしており、普段は落ちつきがあるということで、今回も力は出し切れるだろう。 一方のマジカルフェアリーは、小倉の1800米を勝ってきたので、ゆったり流れるここでどんな脚を使えるか未知な部分がある。 あとは、やはり牝馬だが、東京でマイルを勝ってきたジョリーレーヌを。新潟のマイルも合いそうなので主力争いに加われる。 他も牝馬になるが、センスのいい競馬が目を引いたプロクレイアを。新潟のマイルを勝ってきたが、外々を回って差し切ったところに余裕を感じた。 「新潟で 希望をつなぐ 来春の」