鍵山優真は大会2連覇も悔しさ隠さず 転倒などミスも…「次はノーミスで300点を出したい」/フィギュア
フィギュアスケート・GPシリーズ第4戦NHK杯最終日(9日、東京・国立代々木競技場)フリーが行われ、男子は今季GP初戦でショートプログラム(SP)首位の鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大=が194・39点、SPとの合計300・09点で優勝し、大会2連覇となった。SP3位の壷井達也(21)=シスメックス=が合計251・52点で3位。ペアでSP首位の三浦璃来(22)、木原龍一(32)=ともに木下グループ=組はミスが響き2位となったが、2年ぶりのGPファイナル(12月、フランス・グルノーブル)出場を決めた。 300点の大台に乗せた鍵山だったが、表情は浮かなかった。最終12番滑走で登場し、大歓声に包まれながら、ミスもあり、思うような演技とは遠い内容。大会2連覇も悔しさがにじみ出た。 「300点を狙っていたけど、思っていた出し方じゃない。次はノーミスで300点を出したい」 冒頭の4回転フリップで転倒。国内初戦となった10月の西日本学生選手権でも冒頭の4回転フリップが2回転になるなどミスが続いており、課題が残る出だしだった。それでもその後はミスを引きずることなく次々とジャンプを決めた。 父の正和コーチから「自分に負けないように滑ってこい」と送り出された。「失敗してからもほかのジャンプで気持ちを立て直せた。それは心が成長した証」と鍵山は自身の良かった部分にも目を向けた。 前日8日のSPでは、2位に三浦、3位に壷井がつけた。日本男子が表彰台を独占すれば、2006年のNHK杯で高橋大輔、織田信成、小塚崇彦が1~3位を占めて以来の快挙だったが、壷井は3位、三浦は6位に終わり、表彰台独占とはならなかった。 GP初戦を優勝で飾った鍵山の次戦は、第5戦のフィンランド大会(15~17日、ヘルシンキ)。12日の夜には離日する予定で「ご飯をしっかり食べてしっかり寝て休む。きっちりした生活をすればリカバリーできる」。連戦にも弱音を吐かず、次戦でも表彰台の頂点を見据えた。(角かずみ)