米研究で発表!女性の寿命を延ばす可能性がある「食事法」が明らかに
アメリカの研究で、女性の健康にいい影響を与えることが報告され、近年注目を集めている「地中海食(地中海式ダイエット)」。地中海食とは、ギリシャ、イタリア、スペイン、モロッコなどの地中海沿岸諸国の食事や食事様式のことで、野菜や果物、魚、オリーブオイル、ナッツ、豆類、全粒粉などを多く使用しているのが特徴です。 【写真】食事に取り入れるべき、コレステロールを下げてくれる40の食品 今回は<Prevention>から、地中海食の正しい食事法や健康にいいといわれる理由、栄養士が説明する取り入れ方をご紹介します。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
科学的にも多くのメリットが証明されている、地中海食。今年5月に発表された『JAMA Network Open 』の研究では、女性の長寿につながる可能性があることもわかっています。この研究では、2万5315人の女性の食事内容やインスリン抵抗性、コレステロール値などを25年にわたって分析。その結果、地中海食を実践している女性は23%も死亡率が低く、心臓病のリスクは20%、がんのリスクは17%低かったそう。 心臓病の専門家で、ハーバード大学医学大学院のサミア・モラ教授はこう話しています。 「私たちの研究では、長寿を目指している女性は食事に気をつけるべきだということがわかっています。地中海食を実践することで、死亡率を4分の1まで下げられるのです」
地中海食が健康に良い理由
①病気のリスクを下げる なお、地中海食を実践している人が長寿であることはわかったものの、実際に長寿につながるかはまだ証明されていません。しかし、ラットガーズ大学医学部大学院のデボラ・コーエン助教授はこう説明しています。 「地中海食は、特定の習慣を行っているだけでも健康効果が高いことは科学的に証明されています。アメリカでの罹患率・死亡率に関連する、高血圧、2型糖尿病、内臓脂肪症候群、特定のがん、心血管疾患のリスクを下げるとされています」 栄養士のスコット・キートレーさんによると、地中海食は健康に良いとされている、抗酸化物質、抗炎症化合物、食物繊維が豊富とのこと。地中海食には欠かせない、果物や野菜、ナッツには、ビタミンC、E、フラボノイド、カロテノイドなどの抗酸化物質が多く含まれています。 「これらは、病気につながる可能性のある、体やDNAに有害な物質を中和する働きがあります。酸化ストレスを減らすことで、抗酸化物質は病気や細胞老化を防いでくれます」 さらに、地中海食は抗炎症効果が期待できる食材も多く使用されています。魚にはオメガ3脂肪酸、オリーブオイルや赤ワインにはポリフェノールが含まれ、これらは心血管疾患やがんなどの慢性炎症を防いでくれるとキートレーさんは解説します。 ②食物繊維が豊富 ここで注目したいのは、食物繊維が豊富だということ。 「果物、野菜、豆類、穀物類などの食物繊維は、消化器系を助け、便通をよくし、結腸直腸がんのリスクを下げます。食物繊維は健康な体重を保つのにも効果的です。満腹感を持続させるので、総カロリー摂取量を減らしてくれます。さらに水溶性食物繊維はコレステロール値を下げるので、心臓血管の健康維持にもいいですね」 ③良質な脂質・肥満の防止 地中海食はオリーブオイル、魚、ナッツなどの良質な脂質を重視しています。キートレーさんによると、これらの良質な脂質はHDLコレステロール値(善玉コレステロール)を上げ、LDLコレステロール値(悪玉コレステロール)を下げてくれるため、その結果心血管疾患のリスクが下がるそう。 そして地中海食は超加工食品(糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品)を制限。コーエンさんは、「超加工食品を食事から減らすだけでも健康効果は高いです」と話し、栄養士のカレン・アンセルさんもこれに同意しています。 「地中海食では何を食べるかだけでなく、何を食べないかも重要です。心臓に問題を引き起こすとされている赤肉や砂糖をあまり含まないので、がんの隠れたリスクだとされている肥満の防止につながります」