双子を出産した「有村智恵」が語る“プロゴルファー”と“母親”との葛藤 「どちらかに決めないといけないのはおかしい」
■子どもたちにプレーする姿を見せるのが夢 ただやはり競技ゴルフに復帰したい気持ちは強いのだという。 「私は、子どもたちに自分がプレーする姿を見せるのが一つの夢なんです。とはいえ、葛藤もあります。競技に戻るためには、子どもと離れる時間を作らないといけないので。一番不安なのは練習ですね。競技以外の仕事は終わりの時間が決まってますけど、練習ってどこで切り上げるかは自分で決めないといけない。練習しているときも会いたくなっちゃうと思いますし、練習場に連れて行ったとして、暑くないかなとか、体調は大丈夫かなとか、いろいろ気になってしまうと思うんです。早く子どもたちに会いたいから、早く練習を切り上げたくなっちゃうんじゃないかって(笑)。出産から日がたっていないこともあると思いますけど、今はとにかく子どもたちのほうに気持ちが向いています。復帰するには、自分の中で『何としてもやってやるんだ』っていう強い気持ちを持たないといけないと思っています。そこが一番の挑戦かもしれないです」 悩みつつも未来を見据え、有村さんは前に進んでいる。 (生活・文化編集部・唐澤俊介) ●有村智恵(ありむら・ちえ)/1987年、熊本県生まれ。父親の影響で10歳からゴルフを始める。プロゴルファーの宮里藍に憧れ、東北高校(宮城県)に進学し、卒業後の2006年、プロテストに合格。08年、「プロミスレディース」でツアー初優勝を果たす。ツアー通算14勝。21年に一般男性と結婚。翌年、競技から離れて妊活に専念することを公表。今年4月に双子の男児を出産した。22年からは、30歳以上の女子プロゴルファーの大会「LADY GO CUP」を運営している。また、冠番組「有村の智慧」(BSJapanext)ではMCを務める。
唐澤俊介