乾燥機を使わない人は9割以上⁈便利なのになぜか使われない日本の「時短家電」事情
子育てに直面したときに、巷で耳にする、あんなウワサ、こんな説。それってほんとうに根拠があるの? お金で時間を買う!ベストバイ家電3選〈洗濯乾燥機編〉 これまで、気になる論文を読んできた、情報理工学博士の山口先生が、世の中にあふれる「子育て説」を科学の面から一刀両断。現在子育てに悩んでいる方、なにかヒントが見つかるかもしれませんよ! 今回は、「時短家電の普及率」についてお話しします。
アメリカでは、食洗機やディスポーザーはあたりまえ?
前回の記事【関連記事:日本人女性は台所にいる時間が長い?世界の平均は?】では、「日本人女性の家事に携わる時間」についてご紹介しました。今回は、日本であまり普及していない時短家電について考えてみようと思います。 家事に関わる時間ですが、アメリカとの比較では、日本は7時間半/日、米国は6時間弱/日という結果があります。 キッチンにおける時短家電の筆頭は、食洗機ですよね。 食洗機は、欧米諸国では9割近い家庭で使われていますが、日本はまだ3割程度というのが現状です。おそらく、家がそもそも狭いので、食洗機を置くスペースの問題や、ビルトイン食洗機の値段自体も日本はとても高いというのが、あまり普及していない理由のひとつかと思います。 あとは、ディスポーザーの普及にも差があるようです。日本と欧米では、下水のつくりも違うので、簡単には比較はできませんが、米国のそこそこのおうちでは、ディスポーザーは家についていることがほとんどです。
冷凍食品や洗濯乾燥機の普及もまだまだ
また、冷凍食品の利用率も違います。 日本冷凍食品協会が集計しているデータでは、米国40%、日本20%となっています(2020年)。 日本では、冷凍食品をお弁当のおかず等に補助的に使うことが多いと思いますが、米国の場合はメインで活用していて、夕飯が冷凍食品を温めただけ、というのもよくあること。 それから、洗濯乾燥機もイマイチ日本では普及していないですね。かくゆう私も乾燥機よりも自然乾燥派ではありますが、家事をする人のことを考えると、衣類の痛みを気にするよりは、乾燥機でとっとと乾燥させてしまう方が効率がいいのでしょうね。 ちなみに、日本の場合、「全自動洗濯乾燥機の利用半数以上でも、『乾燥機を使用して干す』は1割に満たず」というデータもあります。(専業主婦世帯と共働き世帯における洗濯に関する実態調査 2018年) 丁寧でよいと思いますし、私もなんとなく影響を受けている気もしてますが、本当に衣類の自然乾燥や手づくりの食事が必要かどうかは、ちょっと考えてしまいますよね。