朝倉未来・海が認める才能、元K-1王者も絶賛する打撃センス…RIZIN衝撃デビューを飾った18歳の逸材の凄さ
9月29日(日)さいたまスーパーアリーナにて「Yogibo presents RIZIN.48」が開催され、朝倉未来・海の同門JTT(JAPAN TOP TEAM)の18歳・秋元強真が金太郎にTKO勝利し、鮮烈なRIZINデビューを飾った。 【画像】衝撃のフィニッシュシーン 秋元は2006年生まれの18歳。もともとサッカー少年だった秋元は、朝倉未来の試合を見たことがきっかけでMMAの道へ進み、パラエストラ柏(現THE BLACKBELT JAPAN)所属としてDEEPを中心に試合を重ねた。 今年3月にJTTに移籍すると、5月に朝倉未来推薦選手として格闘ドキュメンタリー番組「格闘代理戦争-THE MAX-」のプロルール・スペシャルマッチに抜擢され、朝倉海や元谷友貴とも対戦しているヒロ・ヤマニハと激突。下馬評では圧倒的にヤマニハ有利の一戦だったが、序盤から秋元が打撃でヤマニハを圧倒し、最後は強烈な右ボディでヤマニハをマットに沈める番狂わせを起こした。 そしてプロ5戦全勝で迎えた今回のRIZINデビュー戦。RIZINバンタム級戦線で活躍するハードパンチャーの金太郎と拳を交え、ヤマニハ戦同様のインパクトを残す。試合が始まると秋元が金太郎のローを空振りさせながらプレッシャーをかけて左ストレート。これに組みつかれてテイクダウンを許した秋元だが、立ち上がって試合をスタンドに戻すと、今度は左ストレートを金太郎の顔面に突き刺し、ダウンした金太郎の顔面にヒザ蹴りを連打してレフェリーストップを呼び込んだ。 プロ5戦目でヤマニハ、6戦目で金太郎というRIZINファイターにKO勝ちする天才ぶりを見せつけた秋元。試合後の「一旦、海さんや未来さんがいなくなったRIZINを盛り上げていくのは俺なので、よろしくお願いします」というマイクアピールも堂々たるもので説得力も十分だった。 特筆すべきは秋元の左ストレートをはじめとするシャープな打撃だ。幼少期に空手やキックボクシングといった打撃系格闘技の経験があってMMAに転向した選手ではなく、MMAから格闘技を始めた選手でこれだけ鋭い打撃を打てる選手はほとんどいない。これは秋元の生まれ持った打撃センス・才能だと言っていいだろう。 JTTで打撃コーチを務める元K-1スーパー・ライト級王者の山崎秀晃は秋元の打撃について、ノーモーション・タイミングというポイントを挙げた。 「強真くんの打撃はとにかくノーモーションを意識していて、まず当てる事を先決にしている。そしてそのフォームからいかに重さ、強さを乗せられるかを考えていると思います。攻撃が重いというより、相手が強真くんの打撃を見えていない、が正しい。手足のバランスもよく蹴りのタイミングも絶妙です。シャドーボクシング一つとっても、しっかり相手のことを意識した質の高いシャドーボクシング、練習をやっています」 すでに完成度の高い打撃を誇る秋元だが、パワー・フィジカル、コンビネーションなど「練習や試合の場数の中で伸びる要素はかなりあると見ています」(山崎)と伸びしろは無限大だ。もちろんそれは打撃だけでなく、レスリングや寝技も同じ。そしてそれをMMAとしてミックスするスキルや試合運びを覚えれば、MMAファイターとして今以上のスピードで進化していくことだろう。 朝倉海がUFC参戦を表明し、朝倉未来が7.28「超RIZIN.3」で平本蓮に敗れて現役生活に区切りをつけ、朝倉兄弟がいなくなったRIZINだが、そこに現れた秋元強真は日本MMAの宝と言っても過言ではない。 文/中村拓己 ©︎RIZIN FF
ABEMA TIMES編集部