若手バンカー疲弊まん延、再び週100時間労働-中間管理職も苦悩
多くの銀行で、スタッファーという役割は何十年も前から存在している。
マイケル・ルイス氏の「ライアーズ・ポーカー」では、高揚した1980年代のソロモン・ブラザーズでの生活が描かれ、ジョン・ロルフ、ピーター・トゥルーブ両氏の「サルになれなかった僕たち-なぜ外資系金融機関は高給取りなのか(Monkey Business)」では、ドットコムバブル期のドナルドソン・ラフキン・アンド・ジェンレットの若いバンカーたちが描かれている。
多くのスタッファーはバイスプレジデントに過ぎず、管理職の中では最も低い地位に近いが、銀行は通常、上層部が新入行員に過大な要求をしないよう、スタッファーに求める。
実際、ある大手行のスタッファーは、後輩バンカーを守るためにこの仕事を希望したと語っている。ブティック型投資銀行のフーリハン・ローキーで受けた研修があまりに厳しく、寝袋をオフィスに持ち込むようになった経験からだという。
それでも、ブルームバーグのインタビューに応じた何人かの若手バンカーは、スタッファーは上司に反論するよりも、実績のあるバンカーに好印象を与え出世することを優先すると述べた。
シティのある行員は、自分の1週間の労働時間が、銀行のソフトウエアの記録で100時間を超えていることを担当者に何度も伝えたが、誰もが無理をしておりそれでも仕事は終わらせる必要があると言われただけだったという。
魂を売る
ニューヨーク市マンハッタンを散策していると、ウォール街の若手に対する厳しい扱いの一端を簡単に見つけることができる。
ある木曜日、パークアベニューの歩道で腕立て伏せをしている若い男性を見かけた。何事かと尋ねられた彼は、売り込み資料で失敗して上司から罰を受けているのだと答えた。
この仕事を続ける人にとって、目標は高収入のキャリアであることに変わりはない。投資銀行では、プライベートパートナーシップへの登竜門として正式なトレーニングプログラムが設けられていたころほど、そうした原資は潤沢ではないかもしれない。