新紙幣の「隠れた狙い」はタンス預金のあぶり出し!福沢諭吉も真っ青な「税金」「裏ガネ」の未来とは?
約20年ぶりに新紙幣が発行されました。なぜ今なのでしょうか。隠れた目的の一つは「タンス預金のあぶり出し」です。さらに、状況を整理すると、福沢諭吉も真っ青な「税金」「裏ガネ」の未来も浮かび上がってきました。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博) ● 新紙幣が発行された目的は 「タンス預金をあぶり出す」ため 約20年ぶりに新紙幣が発行されました。新紙幣が発行される理由は偽造防止が一番の理由だとされます。それはそれで正しいのですが、隠れたもうひとつの理由として「世の中のタンス預金をあぶり出すためだ」という議論があります。 今回の記事は少しアンダーグラウンドな話題に寄せたうえで、新紙幣と関係する「隠されるお金のこれから先」について考えてみたいと思います。 1968年に3億円事件(現金輸送車に積まれた約3億円の現金が白バイ警察官に扮した男に奪われた窃盗事件)が起きて、世間を大いに騒がせました。当時の3億円は今の貨幣価値でいえば30億円にのぼる金額です。事件は迷宮入りしましたが、あの3億円はどこにいったのでしょう。 仮に犯人がずっと3億円をタンスの奥に隠してずっと50年間潜伏していたとします。今では70代半ばでしょうか。そろそろ使おうかとおもって札束を取り出したとしたら、間違いなく困惑するでしょう。全部、聖徳太子の一万円札だからです。 現金でのマネーロンダリングというものは、ここが一番のボトルネックです。 夏目漱石の千円札ですらコンビニで支払おうとすると「偽札じゃないか?」と若者に疑われる時代ですから、聖徳太子の一万円札などを金融機関に持ち込んだら、間違いなくマークされます。 まあ紙幣のナンバーをチェックして3億円事件の犯人だとばれたとしても、時効が成立しているので罪に問うことはできませんが。
● もしも家に3億人の“諭吉”がいたら? 眠っていた“旧一万円札”が大移動するかも では、福沢諭吉さんがタンスの奥に3億円ほど眠っているお宅の場合はどうでしょうか? これは笑いごとではなくて、実際に世の中にありそうです。 相続税の最高税率は55%ですから、銀行に預けずにタンスにしまい込んでおいて税金から逃れようと考える人がいるからです。これをあぶり出すのが冒頭でお話しした新紙幣発行の副次的な効果です。 以前、私の父が亡くなったときに経験したのですが、相続税の申告書を作る際には税理士さんが父だけでなく相続する私を含めた親族の預金通帳をしっかりと5年分調べます。 ですから預金を引き出してタンス預金にしようとしても、結構簡単にアシがつきそうです。 そう考えればタンス預金に向いた資金源は「裏金」です。裏金というとまっさきにあのひとたちを頭に思い浮かべてしまいますが、それ以外で言えば現金商売をしているひとたちも税務署から見れば現金を隠しやすいひとたちだそうです。 というわけでこっそり家の中に隠してきた福沢諭吉が、今回の新紙幣でぞろぞろと太陽の下に出てきそうだということが話題なのです。 さて、もし読者の皆さんの近しい方の中にタンス預金で困っている人がいるといった場合に、ぜひアドバイスしてほしいことがあります。 「タンス預金の時代はもう終わりだよ」ということです。