若手バンカー疲弊まん延、再び週100時間労働-中間管理職も苦悩
ラザードを昨年退社したある若手バンカーは、健康状態が悪化しても助けを求める気になれなかったという。仕事中に胸に圧迫感を覚えた彼女は「心臓発作の症状」で検索して医療ホットラインに連絡、医者に行くことを勧められた。
しかし何ともなかった場合、上司はクリニックに行くことを締め切りに遅れた言い訳と見なすのではないかと心配し、結局仕事を続けた。数カ月後、さらに具合が悪くなった彼女は退職し、新しいキャリアをスタートさせた。
別の大手銀行では若手バンカーが、週100時間労働を乗り切るためにエナジードリンクを一気飲みした後、胸の痛みを感じながらも仕事を続けたという。医者に診てもらおうと考えたが、チームの全員が同じ労働時間をこなしていたため、仕事ができないと見られたくはなかった。
ソーシャルメディアのプラットフォーム「Overheard on Wall Street」が5月に行った調査によると、若手バンカーは週平均約80時間、週末を含めて1日11時間以上働き、睡眠時間は5時間程度だという。
約200人の調査参加者の中には、週140時間労働を記録し睡眠やその他の生活に必要な行動のために1日4時間しか残されていないと言う者もいた。
ブルームバーグが確認した調査結果のコピーによれば、精神的・肉体的な健康状態を1から5までの5段階で評価するよう求められたところ、平均回答はそれぞれ2と3だった。
JPモルガンが5月に開催した年次投資家説明会でも、若手バンカーのプレッシャーに関する質問があった。商業・投資銀行部門の共同責任者ジェニファー・ピエプシャク氏は、従業員の福利厚生ほど重要なものはなく、管理職はそれを保証する必要があると答えた。
「私たちは、ただオフィスに座って業務レビューをしているだけでは駄目で、プレッシャーがどこで高まっているかを把握し、それに対処できるようなリソースを従業員に与える必要がある」と話した。
スタッファー