10年で年商を10倍に 長野の山の上の店「わざわざ」が創り出す、大手がマネできない「ローカライズされたコンビニ」の勝ち筋
長野県東御市で2009年に創業したパンと日用品の店「わざわざ」。主婦だった代表の平田はる香さんがたった1人で始めた店は、創業から11年目の2020年度に年商3億円を突破するなど急成長を続けています。2023年には市内に新たに2店舗をオープンし、計4店舗になりました。 しかし、平田さんはさらに大きな展望を描いています。これからの10年で、年商を10倍の30億円に引き上げることを目標としているのです。拡大局面にある「わざわざ」の今後の戦略を詳しく伺いました。
【平田はる香(ひらた・はるか)】 1976年生まれ。 高校卒業後にさまざまな仕事を経験して、東京のスタイリスト専門学校へ。雑誌編集部でのアルバイトなどをしながらクラブDJに打ち込む。 長野県東御市に移り住みウェブデザイナーとして働いたのち、2009年に日用品とパンの店「わざわざ」をひとりで開店。 2017年に株式会社わざわざとして法人化。 2019年、同市内に2店舗目となる喫茶・ギャラリー・本屋「問 tou」をオープン。創業当初200万円だった年商は、11年後の2020年度には3億3000万円に。 2023年、3店舗目としてコンビニ型店舗「わざマート」、4店舗目として体験型施設「よき生活研究所」を同じく市内に開店。 同年、初の著書『山の上のパン屋に人が集まるわけ』(サイボウズ式ブックス)を刊行。
「コンビニ型」を県内32店舗に
2023年1月、わざわざの新形態の店舗「わざマート」が東御市内にオープンしました。あえてアクセスが簡単ではない“山の上”に出店した「わざわざ」と違い、こちらは県道沿いの、より多くの人が立ち寄りやすい場所にあります。 コンビニエンスストアと直売所を掛け合わせたような業態の店舗で、年中ほぼ無休で朝9時から夜7時まで営業。大きな看板や店内の構造は見慣れたコンビニそのものですが、そこに並ぶ約1200点もの商品はオリジナリティあふれるラインナップです。平田さんはこう説明します。