ホンダの次世代EV「0シリーズ」プロトタイプに試乗
プロトモデルに試乗。気になる新EVの実力は…?
そしてこの取材のハイライト、新世代BEVの技術開発プロト車試乗だ。DBW操舵系こそ組まれていないが、前記した一通りのハードと機能が盛り込まれているとのこと。 プロトモデルは、CR-VベースのSUVタイプとアコードがベースのセダンタイプの2台が用意され、我々はセダンタイプに試乗した。 もっとも印象に残ったのは際立つスムースさ。スポーツモード設定からの試乗となったが、瞬発力やエンブレ(回生)、転舵応答はスポーツモデル的。荒っぽい操作をしても揺れ返しや神経質な動きは排除されていたが、BEV特有のダイナミックさは少々過剰気味。ホンダの開発陣によるとプロトモデルの段階なので、ノーマルとスポーツモードの違いを分かりやすくしているからだという。 ということで、試乗途中からノーマルモードに変更。揺れ返し等の雑味の排除がとても良く伝わってくる。素早く反応するが、加減速でも旋回力でもG変化の繋がりがいい。深いロールからの切り返しでも揺れ返しはほとんど感じないし、Gも挙動もライン制御も狙ったとおり。挙動を抑える補助や補正の操作なしで済んでしまう。 同乗者にもドライバーにも優しく、走り全体が人車一体とストレスフリーを軸に新世代に突入した感があった。ホンダが今進めている走りの哲学をもっとも高い水準で実現したモデルとも言える。 次世代の技術とホンダが目指しているクルマづくり、2026年のホンダ 0シリーズがますます楽しみになった。
────────── ●文:川島茂夫(月刊自家用車編集部) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
月刊自家用車編集部