〔米株式〕NYダウ続落、217ドル安=ナスダックも安い(15日午前)
【ニューヨーク時事】週末15日午前のニューヨーク株式相場は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日、「利下げを急ぐ必要はない」と発言したことを受けて売りが先行し、続落している。午前10時現在は、優良株で構成するダウ工業株30種平均が前日終値比217.24ドル安の4万3533.62ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数が260.56ポイント安の1万8847.09。 今週発表された米経済指標は、インフレ率の下げ渋りや労働市場の底堅さを示唆する内容。トランプ前大統領の再登板で物価上昇への警戒感も台頭する中、パウエル氏の発言をきっかけにFRBが利下げペースを緩めるとの見方が急速に強まり、投資家心理を冷やしている。CMEグループのフェドウオッチによると、市場が織り込む12月会合での金利据え置きの確率は4割程度に上昇した。 一方、この日朝発表の統計は強弱まちまち。10月の小売売上高は市場予想を上回り、前月分が上方修正されたが、変動の激しい自動車・同部品を除く売上高は予想を下回った。また、10月の鉱工業生産指数は2カ月連続で低下。ただ、11月のニューヨーク州製造業景況指数は新規受注や出荷の項目が持ち直し、大きく改善した。一連の統計発表後、米長期金利は4.5%付近に上昇している。 個別銘柄を見ると、アムジェン、メルクなどヘルスケア関連の下げが目立つ。エヌビディア、マイクロソフトなどハイテクも軟調。半面、前日に6%超高と買われたウォルト・ディズニーが3.5%高と続伸し、ダウ平均を下支えしている。