〔東京外為〕ドル、155円台後半=上にいってこい(15日午後5時)
15日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、1ドル=155円台後半で上にいってこいとなっている。午前中は実需筋の買いなどで156円台後半に上昇したが、財務相の円安けん制などで伸び悩んだ。終盤は調整売りも出た。午後5時現在、155円75~78銭と前日(午後5時、155円83~84銭)比08銭の小幅ドル安・円高。 ドル円は早朝、前日の海外市場で買われた流れから156円20~40銭台で取引された。午前9時以降、五・十日要因に伴う実需筋の買いが強まり、仲値にかけて156円70銭台に上昇。その後は調整売りに押されたほか、加藤財務相の円安けん制発言も重しとなり、正午前後は156円30銭台に伸び悩んだ。午後は同水準を中心にもみ合う展開となったが、終盤に調整売りが強まり、前日比でほぼ変わらずまで下げた。 前日の海外市場では、欧州時間から米国時間の中盤までは155円台半ばから156円20銭前後のレンジ圏で上下動した。米国時間の終盤、FRBのパウエル議長が利下げに慎重な姿勢を示したことで買われ、156円40銭台に水準を切り上げた。 東京時間は実需筋の買いで上昇したが、上値では戻り売りが厚かった。また、加藤財務相が「行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていきたい」などと円安をけん制したことも重しとなった。このほか、「植田日銀総裁が週明けに名古屋で会見すると報じられたこともドル円の売りを誘った」(為替ブローカー)という。市場では「植田総裁がタカ派のメッセージを送るとの警戒感が浮上した」(大手邦銀)との声が聞かれる。 ユーロも終盤、対円は伸び悩んだ。対ドルは強含み。午後5時現在、1ユーロ=164円43~45銭(前日午後5時、164円42~45銭)、対ドルでは1.0556~0556ドル(同1.0551~0551ドル)。