やりたくない仕事も「縁」と捉える人に訪れる良縁 私たちが誤解している「因縁」のポジティブな力とは?
■受け入れると、生きやすくなる 「随縁(ずいえん)」という仏教語があります。いただいた縁に随うという意味です。 「縁」は自分の思い通りになるものではありませんが、良いときも悪いときもその状況を一度受け入れて、冷静に考えて流れに身をまかせることができれば、格段に生きやすくなります。 仕事を頼まれたら、まずはあるがままに受け入れることです。それがやりたい仕事でも、やりたくない仕事でも、巡ってきたご縁です。
その仕事をやりたい、やりたくないにかかわらず、どのような仕事であれ自分の状況をよく考えて、そのときに手一杯なら断ります。ずっとやりたかった仕事であっても、その場合は縁がなかったと、潔くあきらめるのです。 あるいは身体が空いているタイミングなら、それは縁が巡ってきたのですから、やりたくない仕事でも“良縁”として受け入れます。せっかくのご縁ですから、やらされている仕事ではなく、やらせていただく仕事として楽しみたいものです。
相手の喜ぶ顔を想像すると楽しめる 私自身、庭園デザインの仕事ではさまざまな制約が多く、正直、つらいなと思う依頼もあります。それでも、せっかくのご縁ですから受注した以上は精一杯務めさせていただきます。 私がモチベーションとしていつも心がけているのは、発注主(クライアント)を驚かせることです。ご縁があったのですから、自分流の工夫をちりばめて、「ほぅ、枡野さんはこうしてくれたか!」と、サプライズをねらいます。
たとえ、はじめは気の進まない仕事であっても、相手が喜んだり驚いたりする顔を見るのは楽しいものです。やりたい仕事がなかなかできないと焦る必要はありません。相手の想定以上の仕事を続けているうちに、きっと自分のやりたい仕事が巡ってくるタイミングがあります。 ■「ときの縁」に逆らわない 人との出会い、仕事との出会い、モノとの出会い──。 人生には数え切れないほどの巡りあいがあります。仏教では、すべての巡りあいを「因縁」と呼んでいます。私たちがいつもの会話で使っている“縁”のことです。