【父の日】慶大・清原正吾は父清原和博氏を想像もつかない呼び名で呼んでいる 父に寄せた直筆
ときに厳しく、そしていつも優しく見守ってくれた-。6月の第3日曜日は「父の日」。野球界から、選手たちが父への感謝の思いを言葉にした。 【写真】父和博氏にしたためた父の日のメッセージ ◇ ◇ ◇ 慶大・清原正吾内野手(4年)はペンを走らせると「あぱっちへ」と謎の文字列が現れた。「これ、あんまり知られてないですよね」と笑う。 「ちっちゃい頃、パパって普通に言えなくて、アパアパって言ってて、それがアパッチになって。ぼく、父親のことをあぱっちって呼んでるんです。今もです。ずっと変わらず」 プロ通算525本塁打、清原和博氏(56)を父にもつ。昔は威圧感が少し怖かったけれど「事件が終わった後の父は、いつかなりたい理想像です。友達と話しているような感覚」と追いかけたい背中だ。春季リーグ後には会食した。「お疲れさま会、ってことで家族4人で食事して。ベストナインも祝ってもらいました」。キャッチボールもした父からはこう言われた。 「秋までの100日で野球人生が決まる。後悔なくやり切ろう」 社会に出る日も近い。たくましく育った長男が、父への思いを連ねる。 「いつもありがとう」「これからもずっと元気でいてね」「愛してるぞ」 3つの言葉を並べた。 「今シーズン、毎試合見に来てくれて感謝、いつもありがとう。まだまだ元気でいてほしい、っていう切実な願い。そして僕にとって一番のお父さんなんで、愛してるぞって」 思いを込めて「切実」という言葉を選んだ。現役時代の和博氏とよく似た字で「清原正吾」と署名し、忘れないようにその上に「長男」と書き込む。 「母が女1人で育ててくれたのでそこに感謝というか、迷惑をかけないようにという責任は長男として感じてました」 父の日には幼少期から手紙を書いてきた。一家は苦難に襲われながらも懸命に乗り越え「最高の家族」と言い切れる今に至る。 「愛してる」でも「愛してます」でもなく、愛してるぞ。正吾は「照れ隠し、です」とペンを置いた。【金子真仁】