通信業界の仕事内容、将来性、トレンドまで。志望動機の書き方も紹介【例文あり】
通信業界の現状と将来性、トレンド
ここでは、通信業界の現状や将来性、トレンドについて解説していきます。 ■通信業界の現状 近年、ネットワークインフラはより高度化し、2020年には5Gのサービス提供が開始されており、さらなる次世代通信を実現する「Beyond 5G(6G)」に向けた技術戦略などについても検討されています。 さらに、ネットワークの高度化やセンサーの高機能化などによって、IoTの技術開発やサービス提供なども進展している状況です。 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業におけるテレワークや、学校でのオンライン学習、病院でのオンライン診療などが推進され、小売業界などでもキャッシュレス決済の導入が大きく進みました。非接触・非対面での生活様式を可能とするICT(※)の利活用が進展したことで、ネットワークはあらゆる社会経済活動の根底を支えるものとなっています。 ※「Information and Communication Technology」の略。情報通信技術のこと。 総務省が発表した「令和4年 情報通信に関する現状報告」によれば、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、日本のインターネット上のトラヒックは急速に増加し、2019年11月時点から18カ月の間に、約2倍まで急増しています。 ■通信業界の将来性と今後の展望 2022年に閣議決定された「デジタル田園都市国家構想」の基本方針では、産官学の連携の下、地方が抱える仕事・交通・教育・医療などの課題に対し、デジタル実装を通じて解決することで、「誰一人取り残されず全ての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らし」を実現することを掲げています。 今後の展望としては、AI活用による業務効率化で少子高齢化社会の働き手不足に対応していくことや、ICT活用によって教育や医療における地域格差をなくしていくことを目指しています。 また、防災・減災・災害対応、エネルギーインフラ、農業、公共交通ネットワークの整備など、そのほかのさまざまな領域でもデジタル活用を推進していくことが掲げられています。 こうした取り組みを下支えするものが通信インフラであり、現在、2022年に策定された「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」に基づき、デジタル庁の主導によって、光ファイバーなどの固定ブロードバンドの普及率向上や、5G環境の整備、地方分散型のデータセンターの整備、海底ケーブルの運用など、デジタル基盤の整備に関する取り組みが進められています。 通信業界は、国を挙げた政策においても、大きな役割を果たすことが期待されています。 日本のデジタル競争力は 他のG7やアジア諸国に劣る状況があり、デジタル基盤の整備は急務となっています。 また、サイバーセキュリティの強化や、データの効果的かつ適正な利活用に向けたデータガバナンスに関する取り組みを進めていくことも課題となっています。 ■通信業界のトレンド 通信業界の最近のトレンドについてご紹介します。 【5Gの普及と高度化】 先に紹介した「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」では、全国の5Gの人口カバー率を2030年度末 までに99%とすることを目標に掲げています。 また、5Gの次の世代の移動通信システムとしてBeyond 5G(6G)への対応も推進されています。5Gの特徴的機能である「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」をさらに高度化させ、かつ、持続可能で新たな価値を生み出すことに貢献する「超低消費電力」「超安全・信頼性」「自律性」「拡張性」などの機能を持つ、5Gの次の世代の移動通信システムとなるものです。 2030年代に導入される次世代の情報通信インフラであり、あらゆる産業や社会活動の基盤となることが見込まれています。 【ICT・IoT市場の拡大】 ICTの活用によって、時間と場所の制約なく市場を拡大することができるため、地域の商圏拡大や地域経済の活性化が期待されています。 また、センサーやドローンなどにICTを活用することにより、災害関連情報の収集や避難情報などの提供を迅速かつ正確に行うことも可能となる上、社会インフラの維持管理への活用も推進されています。 また、公共交通においては、自動運転システムの社会実装に向かう取り組みなども進められています。 一方、生産年齢人口の減少によって労働力の不足が見込まれる中、企業がAIやビッグデータ解析などを活用することで、業務の効率化や生産・流通過程のさらなる効率化も可能になります。 総務省による「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」によれば、2020年度の電気通信産業の売上高は15兆2405億円であり、前年度に引き続き増加傾向となっています。 今後、さまざまな領域へとICT・IoT市場が拡大化していく中、通信業界の市場規模も拡大していくことが見込まれます。 【サイバーセキュリティ需要】 NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)が運用している大規模サイバー攻撃観測網が2021年に観測したサイバー攻撃関連通信数は約5180億パケットとなっており、5年前との比較では3.7倍に増加しています。 クラウドやIoTなどの活用が進み、かつ、さまざまな開発環境が変化していることで、第三者によるセキュリティ検証の必要性が高まり、今後はさらにセキュリティ検証ビジネスの需要が拡大していくことが予想されます。