維新の会共同代表に選出された前原誠司氏は波乱に満ちた政治遍歴 野党連携のつなぎ役なれるか
日本維新の会の共同代表に前原誠司衆院議員(京都2区)が選ばれた。当選11回で62歳の前原氏はかつて、民主党と民進党で2度も野党第1党の党代表を務めたが、民進党を実質的解党して希望の党に合流し衆院選で惨敗。今年は国民民主党を割って立ち上げた新党「教育無償化を実現する会」を解党し日本維新の会に合流させた。「非自民・非共産」のスタンスで野党結集に意欲を示す前原氏の足跡を振り返る。 【写真】国民民主党代表選で敗れ、玉木氏に頭を下げる前原氏 国民民主の代表代行だった前原氏は昨年9月、国民民主の党首選に挑み、玉木雄一郎代表に惨敗した。代表選に挑むのは43歳で代表に就いた旧民主党時代から数えて5度目だった。 この敗北で2勝3敗。前原氏は昨年11月、玉木代表の党運営が与党寄りだと批判し、国民や無所属の京都・滋賀の議員ら4人と新党結成を表明。国民民主党は両院議員総会で前原氏ら4議員の離党届を受理せず、除籍(除名)処分にした。 前原氏は京都大法卒。松下政経塾出身で1993年に日本新党から国政入り。2005~06年に民主党代表を務めた。1993年に日本新党で衆院初当選後、新党さきがけを経て1996年の民主党結党に参画した。 2005年、野党第1党の民主党党首に駆け上がると「将来の総理候補」と目された。支えたのは当時、前原グループと呼ばれた「凌雲会」。官房長官を務めた故仙谷由人氏が番頭役。現立憲民主党の枝野幸男、福山哲郎(参院京都選挙区)の両氏、自民に移った細野豪志氏もいた。 民主党政権では国土交通相、外相などを歴任した。だが、2012年に民主党政権が下野すると、多い時には70人ぐらいいた前原グループは1人また1人と抜けていった。 前原氏は2017年、民進党代表に選ばれた。衆院選直前に前原氏は実質的解党をし、小池百合子東京都知事の率いる希望の党への全面合流を図った。 だが、小池氏の「排除の論理」に反発した枝野氏や福山氏らが旗揚げした旧立憲民主党が野党第1党を獲得。結果的に旧民主勢力の分裂を招き、「1強多弱」の政治状況が生まれた。