「30代で年収が倍になった人たち」がまずやったこと、転職せずに年収を増やすにはどうしたらいいのか
自分で勉強をして、求められるニーズに合わせ、希少性を高めたというわけです。「この先、どうなりたいのか」が見つからない場合は、ファーストステップとして、市場価値を高めるトライをしてみるといいでしょう。その結果、選択肢が広がり、本当にやりたいことが見えてきます。 先述した田中さんは、転職をせずに収入が倍になりました。会社員としての年収が700万円。採用コンサルとしての事業(副業)収入が700万円。そう、オンラインを活用した採用コンサルの副業を始めたのです。
きっかけは、知人から声がかかり、ある大手製造会社の採用プロジェクトメンバーにアサインされたことでした。田中さんのように、エンジニア採用に精通している人は少ないため、声がかかったというわけです。 ここで、大事なことをお伝えします。副業は、もはや特別な選択肢ではありません。専門性を持つ会社員をはじめ、フリーランスが登録するインターレイス社(ビズリーチを抱えるビジョナルグループ)の桑田良紀代表は、次のように語ってくれました。
「今、うちの登録者には、営業課長をしながら、ある企業の営業組織強化をアドバイスする専門家もいますし、ある企業で経理として勤務しながら、経理システムを導入するコンサルをしている人など、そのような方が数百人規模で登録しています」 ■年収が倍になった人がやったこととは? さらに追加の質問をしました。 「田中さんのように、収入が倍になる人はいるのか」と。 「いらっしゃいます。先ほどの営業課長の方も、経理課長の方もそうです。営業課長の方は、セールスフォースの導入から運用のコンサルをしていますが、年収は倍になっています。また、経理の方も、経理のSaaS(ソフトウェアサービス)に詳しく、導入から運用のサポートをしていますが、収入は倍になっています」。
ただし、誰もが、そのようになれるわけではないとのことです。 「“業務設計や運用”ができるレベルになれば可能ですが、 “作業ができる”といったレベルでは、さすがに収入は倍にはなりません。でも、今の業務を極めるべく、SaaSを勉強すればできるレベルですよ」 この話を読んで、どう思いましたか? 自分には「別世界」と感じたでしょうか。「他社で通用する専門スキルがない」「自分が、他のことでやっていける自信がない」。それは「キャリアが停滞してしまう壁」です。しかし、「壁」を乗り越えることは充分に可能なのです。
むやみに副業や転職を勧めるわけではありません。しかし、「資産」をしっかりと蓄え、その「ノウハウ(知的資産)」を活かしていくことが、30代からは重要なのです。
伊庭 正康 :らしさラボ代表