ユーザーエンゲージメントは向上も、報道機関は Threads へのさらなる投資を様子見
記事のポイント メタによって発表された新しいプラットフォーム、スレッズの登場から約半年が経過しているが、報道機関は利用に慎重で、リソースの大幅な投入を見送っている。 ニュースパブリッシャーの中には、ボストン・グローブやCNN、ニューヨーク・タイムズなどが含まれており、これらはThreadsのエンゲージメントが向上していると報告しているが、具体的なデータの共有は拒否している。 Xからの離脱を希望しつつも、報道機関はまだThreadsへの完全移行には至っていない。BBCやガーディアン米国法人はすでにThreadsからの投稿を停止しており、その価値を慎重に観察している。 メタ(Meta)のThreads(スレッズ)がXのライバルとして登場してから約半年になるが、ニュースパブリッシャーはさらなるリソースを注ぎ込むことに慎重になっており、近い将来、そうする計画もないようだ。ソーシャルチームやオーディエンス開発チームが活用できるデータが限られており、投資を強化する価値があるかどうかを判断するのが難しいためだ。 そうしたニュースパブリッシャーのなかにはボストン・グローブ(Boston Globe)、CNN、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)も含まれており、これらの報道機関の幹部は、Threadsのローンチ以降、そのエンゲージメントは高まっていると述べている。ただし、Threadsは集計データの測定が難しいとして、3社ともそれを裏付けるデータの共有を拒否した。一方、BBC、ガーディアン(Guardian)米国法人などのニュースパブリッシャーはThreadsのメインアカウントからの投稿を停止し、リソースを投入する価値があるかどうかを注視している。
Xは遠ざかりたく、Threadsには魅力がある
現在のところ、Threadsは実験の場から脱却していない。Threadsは指標が充実していないため、報道機関は「いいね」、返信、参照トラフィックによって、どのような投稿がオーディエンスに響くかを見ている。X(旧Twitter)の参照トラフィックとエンゲージメントが下がり続けていることもあり、報道機関は、テキストベースのソーシャルプラットフォームでオーディエンスとつながる別の方法を探している。メタはThreadsのトラフィックをFacebook、インスタグラム(Instagram)を含む他のプロパティと区別しているという。 データ分析企業シミラーウェブ(Similarweb)のシニアインサイトマネージャー、デイビッド・カー氏によれば、全世界のウェブトラフィックを比較すると、Xは今もThreadsの約100倍に達しており、米国では、モバイルアプリの月間アクティブユーザー数も11倍を超えているという。また、Xの11月のデスクトップトラフィックを推定すると、全世界の訪問者数は59億人で、前年比13.8%、前月比4%減少しているという。一方、Threadsの11月のデスクトップトラフィックは4940万人で、前月から変わっていない。さらに、Androidユーザーのデータでは、Xの利用率は10月から11月にかけて2%減少し、Threadsは12.8%増加したとカー氏は述べている。 ボストン・ドット・コム(Boston.com)のゼネラルマネージャーであるマット・カロリアン氏は、「Threadsには魅力がある。良いプラットフォームであり、素晴らしくて(そして)向上している製品だ。そして、Xには遠ざかりたい要素がある。頭を抱える前に、一日に費やすことができる時間は限られている」と話す。「さまざまな要因が重なり、Threadsは成長しているのだと思う」。 ボストン・グローブとニューヨーク・タイムズのソーシャルチームは主に、Facebook、Xの投稿に注力しているが、Threadsのコンテンツ管理と計画を日々の業務に加えた。ただし、それ以上の時間と労力をThreadsに注ぐことには二の足を踏んでおり、Threads専任の編集者は割り当てていない。