ユーザーエンゲージメントは向上も、報道機関は Threads へのさらなる投資を様子見
ささやかな参照トラフィックはある
ニューヨーク・タイムズのオフプラットフォーム担当ディレクター、ジェイク・グローバム氏は、「私たちがプラットフォームを評価し、リソースを投入する価値があるかどうかを判断する際に頼りにすることについて、Threadsに関してはわかっていないことがほとんどだ」と話す。「そして、もしそのプラットフォームが有望で、現在もオーディエンスを満足させているものでなければ、私たちがそのプラットフォームに存在し続け、毎日それをメンテナンスすることはない」。ニューヨーク・タイムズはThreadsで230万人、Xで5510万人のフォロワーを獲得している。 メタにコメントを求めたが、本記事の公開時点で回答は得られていない。 カロリアン氏はThreadsの入手可能なデータ(いいね、コメント、リポスト)を月に2回ほど分析しているが、「ThreadsはXに比べて、投稿1件当たりのエンゲージメントが一貫して高い」。ボストン・グローブは現在、Threadsで6万人強、Xで79万4000人余りのフォロワーを獲得している。12月に入り、スポーツ関連の動画をThreadsに投稿したところ、310以上のいいねが付いた。約2カ月前、同様のスポーツ動画を投稿したときには、いいねの数は約140だった。 CNNの広報担当者も、Threadsのオーディエンスとエンゲージメントが伸びていると明かしたが、その根拠となる数字は示さなかった。CNNもカロリアン氏やグローバム氏と同じような感想を持っているようで、「パフォーマンスとオーディエンスをより深く理解するためにも、もっと強力なデータと分析がほしい」と広報担当者は述べている。本記事の公開時点で、CNNはThreadsで230万人、Xで6200万人のフォロワーを獲得していた。Threadsに参入して以来、毎月「ささやかな」参照トラフィックがあると広報担当者は言い添えている。
一歩後退した報道機関も
しかし、一部のニュースパブリッシャーはThreadsで発信することをやめてしまったようだ。BBCは7月中旬からThreadsに投稿しておらず、ガーディアン米国法人も最後に投稿してから1カ月ほどになる(ただし、国際アカウントは定期的な投稿を続けている)。 Threadsに何カ月も投稿していない理由をBBCに尋ねると、広報担当者は次のように説明した。「BBCはさまざまなコミュニケーションチャネルを利用しており、ソーシャルメディアプラットフォームも常に見直しを行っている」。他にも質問を投げ掛けたが、回答はなかった。BBCは現在、Threadsで73万人、Xで4040万人のフォロワーを獲得している。 数週間前からThreadsに投稿していないパブリッシャーで働く匿名希望のメディア幹部は、「Threadsを捨てたわけではない」と述べている。「もともとそれほど積極的ではなかったが、将来的にはもっと実験してみたいと考えている」。このパブリッシャーがThreadsから離れることを決めたのはリソース不足のためだという。