ユーザーエンゲージメントは向上も、報道機関は Threads へのさらなる投資を様子見
Threadsはニュースに適しているのか?
メタはThreadsを発表したとき、この新しいプラットフォームは面白いコンテンツや楽しいコンテンツのためにつくられたものであり、堅いニュースや政治を語る場所ではないことを明確にした。しかし、イスラエルとハマスの紛争やジェネレーティブAI企業オープンAI(OpenAI)のCEO、サム・アルトマン氏の追放(そして復帰)のことなど、大きなニュースが続いていることで、ボストン・グローブやニューヨーク・タイムズはThreadsに報道機関の居場所があることを確信した。 「我々が知るかぎりでは、人々がニュースに関心を持ち、エンゲージし、クリックして読んでいる証拠が見られる」とグローバム氏は話す。「サイトの再訪、エンゲージメント、成長といったことを十分に確認した上で、コンテンツ制作を続けている(中略)このプラットフォームには可能性と将来性があり、日々のメンテナンスに時間を費やす価値があると私たちは考えている」。 グローバム氏は、ThreadsのエンゲージメントやトラフィックがXを上回っているかどうかについての言及を避け、Threadsは集計データを提供していないため、大きなニュースのインパクトを測定するのが難しいと指摘した。また、ハッシュタグやトレンドのような機能がないため、ニュースに関連した会話を追うのも難しいとグローバム氏は話している。 カロリアン氏によれば、Threadsでボストン・グローブのニュースコンテンツに接する人が増えており、1カ月ほど前からエンゲージメントが上向いているという。カロリアン氏はその理由として、非常に大きなニュースサイクルに入ったこと、人々がXから離れていることを挙げている。
2024年にThreadsが果たす役割
グローバム氏とカロリアン氏は、Threadsが報道機関のオーディエンス開発戦略でどのような役割を果たすかは、2024年の米大統領選挙に懸かっていると口をそろえる。大統領選挙によって、Threadsがニュース速報やリアルタイムの会話の場になるかどうかが決まるということだ。 「限られたリソースをどこに投入し、何を得るかを考え抜くという意味で、やらなければいけないことがたくさんある。当面、(Threadsへの)投稿をやめることはないだろう。大きなニュースがあれば、少し投稿を増やすのか、それとも一気に増やすのか。明言するのは時期尚早だ」。 メタもThreadsの拡張を続けている。ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は11月30日、Threadsは12月にもヨーロッパに進出すると報じている(英国ではすでに利用可能)。 カロリアン氏は次のように述べている。「この業界では、いつでもどこでもすべてに対応できる無限のリソースを持つ報道機関はほとんどない。そのため、最も大きなインパクトを与えられる場所を選択することが本当に重要だ。ここが意味ある場所かどうかを理解することが重要になるだろう。そして私は、ここが意味ある場所だと予感させる強力な兆候があると思っている」。 [原文:News publishers hesitate to commit to investing more into Threads next year despite growing engagement] Sara Guaglione(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:分島翔平)
編集部