富裕層が日本株を「今、面白い」と注目している訳 個人投資家は中小型株投資ではプロよりも有利
僕自身、日本株も正しく目利きをすれば儲けるチャンスは相応にあると思っています。日本人としてマーケットのことを勉強し、経験値や手腕を身につけたいと考えるなら、いきなり外国株ではなく、言語やルール、文化や風土を熟知している日本という国の株式投資に挑戦してみてもいいのではないでしょうか。 ■プロ投資に対する幻想の誤解を解く 株式投資に対するよくある誤解のひとつは、「プロでさえ継続して利益を出し続けるのは難しいのに、一般人が勝てるわけがない」というものです。
この誤解を解くには、プロと個人の投資の属性の違いを知ることが必要です。まず、プロと個人では動かすお金の大きさが異なります。個人投資家が1万円を10万円にすることはそれほど難しいことではありませんが、どんなに経験値の高いプロであっても1000億円を1兆円にするのはとても大変です。 またプロ投資では以下の2つの制約があります。 ひとつは、1000億円を運用するようなプロは、「時価総額100億円の 銘柄を買う」ということが、投資規模が小さすぎてやりづらいという点です。これはどういうことかというと、通常はひとつの銘柄を売買する際に、その売買そのもので株価を乱高下させないように注意する必要があります。その会社の株式の1%でも売り買いすると、株価に大きな影響を与えてしまいます。
すると時価総額100億円の会社の1%、1億円がその銘柄で取引できる上限 です。1000億円を運用しようと思ったら、1000社に投資をしなけれ ばなりません。これは非現実的です。「そんなふうに、いちいち細かく買っている場合じゃない」となるため1000億円を運用する必要があるときは、相応に大きな企業の株を買わざるを得ません。 そのような規模感の大企業の株はよくも悪くも安定していることが多いため、リターンはそこまで高くない、ということがあります。ある程度目利きができるようになった投資家が、中小型株を投資対象としているのは、「プロが参入しにくいから」というのもひとつの理由です。