米株式市場、0.5%の大幅利下げで「一時急騰」するも下落して終了
米連邦準備制度理事会(FRB)は米東部時間18日、0.5%の大幅利下げを決定した。待望の利下げサイクルの開始で株式市場は一時急騰したが、その後は利益確定売りが優勢で小幅安で取引を終えた。 午後2時のFRBの発表を前に、株式市場は値動きが乏しかったが、発表後に急騰し、S&P500とダウ平均は発表の直後に史上最高値を更新した。 しかし、その後は売りが優勢になり、S&P500は0.29%安で当日の取引を終えた。ダウ平均も0.3%安で終了し、ハイテク株が中心のナスダックも一時1.16%高まで上昇した後に、0.31%安と反落して終了した。 FRBのパウエル議長は、「適切な政策の再調整を行えば、経済は引き続き成長できる」と記者会見で述べたが、この不安定な市場の値動きは、投資家がFRBの成長促進政策への転換を信じられなかったことが原因のようだ。また、ここ数週間の株式市場の上昇は0.5%の大幅利下げへの強気な期待に基づいていたため、 「噂で買ってニュースで売る」という格言に基づく利益確定売りも発生した。 それでも、ストラテジストの大半はFRBの決定に楽観的で、「今日の動きは、市場にとって祝うべきことだ」とプリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャーはコメントしている。 今回の利下げは、借り入れコストの低下から小規模企業により大きな恩恵を与えると見られており、小型株のインデックスのラッセル2000は約0.2%上昇した。 ウォール街では、18日にFRBが2020年3月以降で初の利下げを発表することは確実視されていたが、25ベーシスポイントの利下げになるか、50ベーシスポイントの利下げになるかについては見方が分かれていた。 CMEグループのデータによると、25ベーシスポイントの利下げが行われる確率は4割、50ベーシスポイントの利下げは6割と予想されていた。金融政策サイクルで最初の利下げが行われると、債券利回りの魅力が低下し、新たな資金が株式市場に流入することや、借り入れコストの低下で企業の利益率が改善することで、株価が上昇する傾向が見られている。 「市場は望んでいたものを手に入れた。投資家が満足し続けるかどうかはこれからわかるだろう」とイー・トレードのマネージングディレクターのクリス・ラーキンはコメントした。
Derek Saul