「入れ歯で失敗したくない人」必読 歯科医が解説する後悔しない入れ歯づくりのポイント
入れ歯を何度作り変えても「しっくりこない」「痛くて使えない」とお悩みの方は少なくありません。そこで今回は、入れ歯で失敗しないために知っておきたい予備知識や快適な入れ歯をつくるポイントなどを、広瀬通り歯科クリニックの遠藤先生に解説してもらいました。 【入れ歯長持ち】セルフケアが大事「デンタルフロスは歯磨きの前」 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
新しい入れ歯で失敗しないために、事前に知っておきたい予備知識
編集部: 新しく入れ歯を作るにあたって、はじめに歯医者さんでどんなことを伝えておくとよいでしょうか? 遠藤先生: 入れ歯に関して不安なこと・疑問に思うことはストレートに伝えていただいたほうが、ご希望に沿う入れ歯に近づけられます。 患者さんが入れ歯の専門知識を十分に持たないのと同じように、我々歯科医も患者さんのご家庭やお仕事の事情・生きがい・趣味など、価値観に関する十分な情報を持っていません。 これらの情報を共有することで、治療を受ける・受けないという選択肢も含め、より主体的に治療を受けていただくことができます。 編集部: 入れ歯の悩みや要望をうまく伝えるポイントがあれば教えてください。 遠藤先生: すでに入れ歯をお使いの方は、今の入れ歯のどこに不満があるのか、不便に感じるのかを具体的に伝える(いつ・どんな時に・どの部分が、など)とよいでしょう。 また、「少しでも痛いのは耐えられない」「見た目が気になる」「これだけは食べたい」など、ご自身でこれだけは譲れないという点も率直に伝えてください。 これらの情報は裏を返すと患者さんが望む状況ですので、歯科医側も「それならこういう方法もありますよ」と新たな提案がしやすくなります。 編集部: では、歯科医側が患者さんに事前に知っておいてほしい、入れ歯に関する誤解や注意点などはありますか? 遠藤先生: 入れ歯が初めての方によくある誤解として、「入れ歯を入れたらすぐに噛めるようになる」という点が挙げられます。 しかし、髪の毛一本でも感知できる敏感なお口の中に「入れ歯」という人工臓器が入るわけですから、それを使いこなせるようになるためにある程度の時間が必要です。 したがって、入れ歯は入れてすぐに噛めるわけではなく、噛めるようになるためには何度か調整を行う必要があることは、あらかじめ知っておいていただきたいと思います。 編集部: そのほかに、事前に知っておきたい入れ歯の注意点はありますか? 遠藤先生: 入れ歯でよく噛めるようになったからといって、そのまま一日中入れておくのは避けていただきたいと思います。なぜなら、一日中入れ歯を入れたままにしておくと、お口の中が不潔になりますし、粘膜にも負担がかかってしまうからです。 したがって、一日のうちどのタイミングでもいいので、入れ歯が不要な時間は外して、お口の中を休ませるようにしましょう。