プリンス関東1部優勝に貢献。右肩上がりで成長し続ける東京VユースMF今井宏亮は、初の国際舞台でも輝きを放てるか【U-16代表】
攻撃の潤滑油として前線との繋ぎ役を担当
171センチ・62キロ。体格的に恵まれているわけではない。だが、それを補って余りある技術と走力で未来を切り拓いてきた。 今井宏亮(2年)、16歳。東京ヴェルディユースに所属するセントラルMFは、日の丸を背負って挑む初の公式戦で、新たな自分に出会うために奮戦を続けている。 10月23日にU-17アジアカップ予選の初戦を戦ったU-16日本代表。各組1位と2位の上位5か国がU-17ワールドカップの最終予選を兼ねた本大会に出場できるなか、廣山望監督が率いるチームはネパールを9-2で下した。 2008年生まれ以降の選手で構成されたチームで、ほとんどの選手にとって初の国際舞台となる。緊張した様子を見せる者も多くいたが、プレッシャーを感じずにアグレッシブな働きを見せたのが今井だ。 ネパール戦では後半の開始から起用されると、攻撃の潤滑油として前線との繋ぎ役を担当。右サイドと中央を流動的に動き回り、チャンスと見れば果敢にゴール前に入り込む。52分にはうまく背後に抜け出し、右足で決定的なループシュートを放つ。随所に好プレーを見せ、25日のモンゴル戦に向けて指揮官にアピールした。 【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開! 一夜明け、練習後に取材に応じた今井は「落ち着いてプレーできた」と振り返りつつ、初戦の出来をこう分析する。 「今回はシャドーでプレーしました。ヴェルディではインサイドハーフが多かったけど、うまく周りを活かして自由に動いて、関わり続けようと思っていた。自分の良さはそこなので、意識はできたと思う」 今季の東京Vユースでは2年生で出場機会を増やし、インサイドハーフで攻守のリンクマンとして活躍。U-18高円宮杯プリンスリーグ関東1部優勝に貢献し、自信を深める契機となった。とりわけ磨きがかかったのがハードワーク。今井は自身の成長についてこう話す。 「守備の強度や2列目からのランニングは、チームの特長としても活かせている。去年と比べて、今シーズンはうまく出せているので、自信になっていると感じます」 また、ユースでの活動に加え、トップチームの練習試合に2度参加した点も大きい。1度目は8月29日の日大戦。「トップの強度を経験して刺激を受けた」。9月にもトップの活動に参加し、ひるまずに良さを発揮できたという。 ユースとトップで貴重な経験を積んで、アジアの戦いで戦う権利を掴んだ。だが、これで終わりではない。負けが許されない重圧のなかで、いかに自分のプレーを発揮できるかが問われる。 ネパール戦は上々の出来だった一方で、無得点でアシストも記録できなかった。だからこそ、次のモンゴル戦では目に見える結果が求められる。右肩上がりで成長を続けるヴェルディユースの有望株は、さらなる進化を目ざして挑戦を続けていく。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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