全国高校無償化で応酬 維新・岩谷氏「トップとして決断を」首相反論「進学すでに99%」
5日の衆院予算委員会では、吉村洋文・大阪府知事が新代表に就任したばかりの日本維新の会が政府に対し、本拠地の大阪で進めた高校授業料完全無償化や、その財源を生むための行財政改革などを国政でも取り組むよう求めた。しかし、石破茂首相は無償化の意義や行政サービスの維持といった観点から異論を唱えるなどし応酬が続いた。 【写真】談笑する石破茂首相と立民・安住淳氏 予算委では、維新の新体制で就任した岩谷良平幹事長が登壇。子供1人あたりの教育費が増え家計を圧迫しており、府が進めた所得制限のない高校授業料無償化を全国でおこなうよう要求した。 また、令和4年度補正予算に関し会計検査院が計5985億円の支出を不用と指摘したことに触れ、全国での無償化に必要な財源として試算された6千億円は行財政改革で捻出できると強調。「吉村知事の決断で教育無償化が進み始めた。首相もトップとして決断いただきたい」と訴えた。 これに対し、石破氏は高校進学率が99%に上ることから「ほとんどすべての方が高校に通う中で授業料の無償化にどういう意義があるのか、議論の余地がある」と反論。 全国規模での授業料無償化については「大阪府や大阪市のように財政力が豊かなところとそうでないところがある」と実現性に疑問を示した。行財政改革で財源を生み出すことに対しては「行政は非効率であっても公平性が一つの大きな価値観だ。職員を削り給与を下げればいいというものではない」と述べた。 吉村氏は同日、府庁で記者団の取材に「高校授業料無償化は制度が確立しており財源だけで成り立つ。(重点政策の)柱の一つとして自民党などと協議していく」と述べた。(山本考志)