<頂点へ・センバツ山梨学院>選手紹介/1 相沢秀光主将/榎谷礼央投手 /山梨
山梨学院が出場を決めた第94回選抜高校野球大会は、3月18日の開幕まであと1カ月。優勝を目指し、練習に励む選手たちを紹介する。【田中綾乃】 ◇兄の助言で仲間鼓舞 相沢秀光主将(2年) 「優勝」を合言葉に臨んだ関東大会初戦。序盤に先行された。夏の大会5連覇を目指しながらも準決勝で敗れた前チームの空気を引きずっていると感じ、五回終了後に仲間を集め「去年と同じ雰囲気になっている。切り替えて」と声をかけた。直後の六回から打線が息を吹き返し、計12点を奪い八回コールドで逆転勝ちした。 初戦に向かうバスの中で、3学年上で同校主将を務め春夏の甲子園に4回出場した兄利俊さんから無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「自分の結果に左右されないこと」が主将として大事だと伝えられた。自身は第1、2打席で凡退していたが、兄の助言に後押しされ、主将として仲間を鼓舞したことが勝利につながった。 強みは打撃。関東大会決勝で同点本塁打を放つなど、大事な場面で一打を放った。関東大会から体重を4キロ増やし、線の細さも克服。兄が出場した際応援席から見た「夢の舞台」で戦うことを心待ちにしている。 ◇「打ってみろ」で挑む 榎谷礼央投手(2年) 秋の県大会、関東大会の全9試合に登板し失点6、防御率1・05と抜群の安定感を見せ、チームのセンバツ出場に大きく貢献。大会屈指の好投手として注目を集める。 昨年6月から、横に回転してしまいがちだった体を縦に振れるように取り組んだ投球フォームの改善が実を結んだ。県大会での失点ゼロは「自信になった」と振り返る。関東大会では自己最速の144キロを記録し、先発した準決勝までの3試合で3失点と「自分の真っすぐが通用するんだ」と確信した。 静岡・浜松商で甲子園出場経験のある父優史さんからは「怖がらないで、いつでも上から目線で投げること」とのアドバイスを受けている。もともと負けん気が強く、常に「俺の真っすぐ打ってみろ」という気持ちでマウンドに立つ。センバツに向けて練習する中で、144キロ以上の球速が出ている手応えもつかんだ。「早く試合がしたいというのが一番の気持ち」と開幕を待ちわびる。 =つづく