節約のため「2日に1回」しかお風呂を入れ替えていませんが、友人から「不衛生」と言われました。毎日「お湯を入れ替える」と「光熱費」はどのくらい増えるのでしょうか?
生活費のなかでも光熱費は大きな支出の1つです。毎日湯船のお湯をためることがもったいないと感じ、節約のために2日に1回のペースでお湯はりしている方もいるかもしれません。しかし、一度ためたお湯を一晩放置すると、細菌が増殖し衛生面でのリスクを伴うおそれがあります。 そこで今回は、毎日入れ替える場合とお湯を2日に1回入れ替える場合で、光熱費にどのくらい差が出るのか解説します。湯船のお湯を1日以上使い続ける際の衛生面のリスクもご紹介しているため、参考にしてください。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較
湯船のお湯を1日以上使い続ける際の衛生面のリスク
湯船のお湯を1日放置すると、お湯のなかの細菌が大量に増えるとされています。そのため、衛生面で考えると毎日入れ替えたほうがよいでしょう。 株式会社衛生微生物研究センターの研究によると、お湯をはった直後の細菌数は数十個だったのに対し、入浴直後で数百~数千個、1日放置すると数十万から数百万個に増えるという結果もでています。 このような点から、基本的には毎日お湯をはって入浴するほうが衛生面で安心できる可能性があります。
湯船のお湯を毎日入れ替える場合と2日に1回入れ替える際の光熱費
湯船にお湯を入れたり、追いだきをしたりする際は、ガス代と水道代がかかります。しかし、地域や契約内容、給湯器の熱効率も異なるため、今回は以下の条件でそれぞれ計算していきます。 ●水道代:0.24円/1リットル ●ガス単価:163.07円 ●発熱量:1万750キロカロリー(都市ガスの場合) ●熱効率:80%(新規給湯の場合)/75%(追いだきの場合) ●お風呂の湯量:200リットル ●水道水の温度:17度 ●浴槽内の残り湯の温度:15度 ●最終的な浴槽内のお湯の温度:40度 以上の条件で、湯船のお湯を毎日入れ替える場合と、2日に1回入れ替える際の光熱費を比較していきましょう。 ■湯船のお湯を毎日入れ替える場合にかかる光熱費 毎日お風呂のお湯を入れ替えた場合は、水道代とガス代がかかります。それぞれを計算する際は、以下の計算式を用います。 水道代=1リットルあたりの水道代×水量 ガス代=水量×上昇温度÷(熱効率×発熱量)×ガス単位料金 先ほどの条件に以上の計算式を当てはめると、それぞれの光熱費は以下の通りです。 ●水道代:48円 ●ガス代:約87円 ●合計:約135円 お風呂にお湯をためると、1回で約135円かかります。仮に毎日湯船にお湯をはると仮定した場合、約4050円の光熱費がかかる可能性があるでしょう。 ■湯船のお湯を2日に1回入れ替える場合にかかる光熱費 湯船のお湯を2日に1回入れ替える場合、月の半分はお湯はり、残りの半分は追いだきになります。 追いだきをしながら2日に1回お湯を入れ替えると仮定して、水道代とガス代を計算してみましょう。 追いだきをする際は残り湯を沸かすだけのため、水道代はかかりません。そのため、まずは追いだきにかかるガス代を求めます。なお、湯量は変化しないものとして計算すると1回の追いだきでは約101円のガス代がかかります。 月の半分を追いだきした場合は約1515円となり、追いだきをしない月の半分は新しくお湯を入れるため、先ほどの光熱費から約2025円かかるでしょう。 それぞれを合算すると約3540円となります。毎日お湯を入れ替える場合の光熱費が約4000円だったため、湯船のお湯を2日に1回入れ替える場合のほうが1ヶ月で約460円節約になる可能性があるでしょう。
湯船のお湯を毎日を入れ替えると、1ヶ月で光熱費が約460円高くなる可能性がある
湯船のお湯を毎日入れ替えると、1ヶ月で光熱費が約460円高くなる可能性があるでしょう。ただし、住んでいる地域や契約内容、給湯器の熱効率などによって光熱費が前後します。 2日に1回お湯を入れ替えたほうが節約にはなりますが、衛生面のリスクは避けられません。1回お湯につかって1日放置するだけで、細菌が数十万から数百万個まで増える可能性があります。以上を踏まえると、衛生面が気になる方は毎日お湯を入れ替えて入浴したほうがよいと考えられます。 出典 株式会社衛生微生物研究センター お風呂の残り湯は使ってもよい? 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部