俳優・前原滉 最新主演映画で天国から地獄の脚本家役に「最初はお断りさせていただいたんです」
映画「あゝ、荒野 前篇」(岸善幸監督)のクライマックスシーンで衆人環視の中、壮絶な死を遂げる「自殺研究会」主宰者・川崎敬三役で注目を集め、タクシーアプリ「GO」のCMでもおなじみの前原滉さん。連続テレビ小説「まんぷく」(NHK)、「あなたの番です」(日本テレビ系)、映画「笑いのカイブツ」(滝本憲吾監督)など多くの映画、ドラマに出演。現在、主演映画「ありきたりな言葉じゃなくて」(渡邉崇監督)が公開中。(※この記事は全3回の後編。前編・中編は記事下のリンクからご覧いただけます)
■ランドセルを背負って小学生を演じるのはめちゃくちゃ楽しかった
2021年、映画「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」(池田暁監督)で映画初主演を果たし、同年、映画「彼女来来」(山西竜矢監督)にも主演。 さらに「直ちゃんは小学三年生」(テレビ東京系)では、主演の杉野遥亮さん、竹原ピストルさん、渡邊圭祐さんとともに小学校3年生という役どころに挑戦。このドラマは、小学生の放課後の日常を描いたもの。前原さんは、仲良し4人組のひとり・てつちん役を演じた。 ――毎回「このドラマの登場人物は誰がなんと言おうと小学生です ご理解ください」というテロップが出ていましたね 「話を聞いたときに面白そうなドラマだなって思いました。おことわりのテロップもですけど、ああいう遊び心は好きです」 ――ランドセルを背負って小学生を演じるのはいかがでした? 「めちゃくちゃ楽しかったです。全部楽しかったですね。男って、ずっと少年時代のことを忘れてないんだと思うんです。それが出てくるんですよね。だからセリフに書いてない言葉とかも、結構すらすら出てくるというか。子ども時代に使っていたみたいな言葉とかがすごい出てくるんですよ。 ランドセルを背負って小学生の格好をするのが恥ずかしいという感じもあまりなかったです。やっていくうちにめちゃくちゃ楽しくなっていくみたいな感じで(笑)」 ――皆さん楽しそうでしたね。滑り台から飛び降りて、足がジーンとして遊んだり 「やりましたね。でも、僕は子ども時代にあれは実際にしたことがなかったんです。一歩間違えたら危ないですよね。でも、小学生のときは、そういうことはあまり考えてなかった。『飛び降りてビリビリ来た』って、男の子がやっていたよなって(笑)。 子どもは多少の無茶が許されるから楽しかったんでしょうね。小学生って無茶をするから。大人になると基本的に止められるじゃないですか。 あと、『これをやっちゃまずいんじゃないかな』みたいなことを考えちゃうんですよね。 でも、『これは小学生だから、この表現をしてもセーフでしょう?』とか、そういうのが楽しかったです」 ――杉野遥亮さん、渡邊圭祐さん、竹原ピストルさんと4人組のコンビネーションもとても良かったです 「ありがとうございます。竹原さんが一番少年でしたね。小学生でした。大人だし、穏やかですごくステキな人なんですけど、多分ピュアな方なんですよね。髭も生えているのに一番小学生に見えるというか。その表現の不思議さみたいなのはありました」 ――前原さん演じるてつちんが父親の仕事の都合で福島に引っ越すことになったときも一番泣いていましたね 「ピストルさんが一生懸命やっているんですけど、ちゃんと3年生の“山ちょ”(役名)が一生懸命やっているように見えるから面白いなと思って。他の人がいかに小学生っぽいことをやっても、まっすぐな山ちょには勝てないみたいな感じで、面白いなって思った記憶があります」 ――2022年には、2年後を描いた続編「直ちゃんは小学五年生」(テレビ東京系)も放送されましたね 「そうそう。福島からてつちんも戻って来て。『全部やったら面白いっすよね』って話しつつも、あれで一旦終わりなんでしょうけど。面白かったですね」