「大学でも青春できる」優勝校と同率3位・駒澤大学卓球部 “個性”を活かす指導方針
歴史を塗り替えた関東学生リーグ3位入賞
――今回、過去最高となった関東学生リーグ3位という成績についてはどう感じていますか? 長﨑隆志監督:まさか3位になれるとは、というのが率直な感想です。 最終日まで優勝の可能性が残るなんて初めての経験で、本当に学生たちに夢を見させてもらって、非常に感慨深かったです。 学生はこんなにも頑張れるんだなと無限の可能性を感じましたね。 ――激戦の続くリーグ戦でしたが、印象的な試合はありましたか? 長﨑隆志監督:管琉乃介の試合は、どれも白熱した展開が多く、印象に残っています。初戦の日本大学戦で0-2からの大逆転、法政大学戦のラスト、早稲田大学戦の6番もすべて感動的な試合でした。 もちろん木村飛翔と白山遼の4年生カットマン2人は言わずもがなインパクトがありましたね。 ――木村選手と白山選手がチームを引っ張って、駒大卓球部の歴史を変えてくれましたね。 長﨑隆志監督:木村、白山も含めて4年生が引っ張ってくれました。 去年卒業した尾中翔英や清野晃大らの代が良いリーダーシップで明るく元気なチームを作ってくれていたので、その代が抜けて今年はどうなるかと正直少し心配していた部分はあったんです。 ただ、木村、白山がいて、卓球に関しては去年よりも気持ちが強い学年でした。加えて「明るくやるのが我々駒澤大学卓球部だよね」と後輩たちにも声をかけてくれて、そのおかげで明るい部分を引き継げたのが今年良かったところかなと思います。
4年間のどこかで必ず青春ができる
――駒澤大学の卓球部ならではの良さはありますか? 長﨑隆志監督:駒澤大学に来れば、4年間のどこかで必ず青春ができると思います。 入学したとき、学年が上がったとき、最高学年になったとき、引退が迫ったとき、人それぞれのタイミングですけど自分の気持ちで卓球に取り組めるタイミングが必ず訪れます。 高校卓球は誰がどう見ても“大青春”です。大学ではもうあの青春を味わえないと思っている選手もいるかもしれませんが、実は大学でも十分に味わえます。その実感を持ち続けてもらえるようなチーム作りを心掛けていきたいです。 ――今後の展望をお聞かせください。 長﨑隆志監督:改めて言うことではないかもしれませんが、やはり主役は学生だと思っています。だからこそ、学生自身が自分の意志でスイッチを入れ、真剣に卓球に取り組んでほしいですね。 もちろん、プロの選手を輩出することができるようになれば理想的ですが、現状ではそのための土壌がまだ十分ではありません。 それでも、大学卓球を通じて青春を感じられる。そして、卒業後に「良い思い出だった」と心から言えるようなチームであり続けたいです。
山下大志(ラリーズ編集長)