「大学でも青春できる」優勝校と同率3位・駒澤大学卓球部 “個性”を活かす指導方針
2024年の秋季関東学生リーグ戦で、学校史上最高勝率の1部3位に輝き、まさに歴史を塗り替えた駒澤大学卓球部。 首位の早稲田大学、2位の明治大学とともに5勝2敗で並ぶ三つ巴の末、惜しくも3位に落ち着いたものの、優勝まであと一歩に迫る活躍を見せた。 今回は、駒澤大学卓球部を率いる長﨑隆志監督に、リーグ戦の振り返りやチームの魅力についてお話を伺った。
20代で監督就任、過去には選手と衝突も
――監督に就任したのはいつ頃でしょうか? 長﨑隆志監督:大学卒業後は、本学の職員として働きながら卓球部のコーチを務めていましたが、29歳の時に前任者から引き継ぐ形で監督に就任。当時は大学卓球界でも、若手の方でしたね。 他大学には大御所の監督が多く、若手として可愛がってもらえたおかげで、指導者として成長できました。 ――就任当初と比べて、指導の仕方が変わったと感じる部分はありますか? 長﨑隆志監督:自分自身の感覚として、若い頃は学生への接し方に課題があったと感じています。 高校での厳しい管理を経て、大学では「自由にやれる」と思って入ってくる学生が多いのですが、当時の私は、そういった自由な発想や行動を受け入れる余裕があまりなく、その結果、学生たちと衝突することも度々ありました。自分の未熟さが原因で、学生の個性を十分に生かせなかったと今では反省しています。 長﨑隆志監督:ただ、さまざまな経験を積む中で少しずつ許容できる範囲が広がり、学生1人ひとりの個性や考えを尊重しながら接することができるようになりました。 ――今では学生主体で講習会を開くなど、かなり学生に任せている印象があります。 長﨑隆志監督:そうですね。やはり私が先に指示を出してしまうと、選手自身が創意工夫する余地もなくなりますし、結果として成長が頭打ちになりかねません。それに実際に裁量を与えると、与えた分だけ自分らしさを発揮してくれますし、思いがけない角度から新しいアイデアを出してくれることもあって、こちらもとても刺激を受けています。 まずは学生に任せて、軌道修正が必要であればアドバイスをする。このスタイルを今後も継続し、引き続き学生の意思を尊重していきたいと思っています。