「52歳のころは棒人間のような体型だった」 5年で腹筋バキバキ・美しい曲線ボディを作り上げ全国大会優勝
「トレーニングをされている方は、私なんかと思わず成長できる機会として挑戦してみてほしいです」 【写真】目谷久美子さんの鍛え上げられた全身 目谷久美子(めや・くみこ/57)さんがトレーニングを始めたのは52歳からで、大会出場は筋トレ開始から1年後の2020年のことだった。当時、50歳を越える参加者はおらず不安に呑まれて結果はふるわなかった。
しかし、12月22日(日)、ゴールドジム主催大会である『マッスルゲート』の全国頂点戦『ゴールドジムジャパンカップ』にてビキニフィットネス部門で優勝(35歳以上160cm以下級)。その努力の軌跡を追った。 「初出場のときは、自分で動画を見返しても不安感が出ていました。遠方までポージングを学びに行くなど頑張った末の惨敗だったので、本当に悔しく恥ずかしかったです。それが逆にどうしてもリベンジしたいという気持ちに変わりました」 1日2時間のトレーニングのほか、毎日ステージ用のヒールを履いて所作を動画で撮り研鑽を重ねた。 「まず、“年齢が高いからダメだ”と思われたくない、という思いがありました。ステージで最年長だとしても努力で成果は出せると信じてきました。私は元々太ったことがなく、棒人間のような細身からのスタートだったので筋肉をつけるということはとても大変でしたが、目標ができたことで身体の変化は増していきました」 筋肉をつける上で欠かせない栄養摂取において、増量期は減量期の倍の白米を食べ込んだ。また、絞り込んでいく際にもカロリーを減らすのではなく、身体に良い食材に切り替えていくのだという。 「綺麗な身体を作るために無理なダイエットをするのではなく、クリーンな食材を選ぶようにしています。たとえば脂質はココナッツオイルやMCTオイル、えごまといった栄養豊富で良質なものから摂取します。小麦は体質的に浮腫むため一切とりません。添加物の入った調味料、たとえば納豆のタレや市販のキムチなどは自作するようにしています」 繊細な食生活はハードに見えるが、食材を厳選する減量時のほうが体調はいいという。目谷さんは目標を持って生きること自体が幸せを感じると語った。 「トレーニングも食事も大変だなと思うことはありますが、50歳を超えて目標を持って生きるという機会はなかなかありません。そういう機会に恵まれたということが嬉しいです」 全国大会での優勝という成績を納めた昨シーズンを経て、今シーズンはさらに目標を上げるという。 「JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の『オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス』で新設される、女性50歳以上のカテゴリーで入賞を目指します」 日々は何かを成し遂げなくても過ぎていく。ほとんどの人はその早さに、ただ流されて漫然と過ごすことに慣れてしまう。だからこそ、理想を持ち努力する人はいつまでも若々しく輝いて見えるのかもしれない。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】 マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:にしかわ花 撮影:IRONMAN編集部