【激レア】メルセデス・ベンツとして誕生したにもかかわらず星を付けることは許されない チューニング界の最も輝く星「アローC1」でのドライブ!
言うは易し行うは難し。最初の固体は1985年の「IAA」だ。「あれは、これまでで最も熱狂的なIAAでした。すべての車がダークブルーにグレーのレザー。唯一、「アローC1」だけがブラックにレッドのレザーの組合せでした」とクリス ハーンは振り返る。ショーでの熱狂はとどまるところを知らなかった。一方で、購入意欲は限界があった。ハーンは注文を受けることなく「IAA」を後にした。なぜなら、「C-111ガルウィング」に浮かれていた間にも、ドルは急落していたからだ。18ヶ月間で、その価値はほぼ60%も下落した。需要もほぼゼロに落ち込んだ。「アローC1」はあと3台、そしてほんの数台の他のモデルが製造されただけだった。従業員100人の企業にとっては、あまりにも少ない台数だった。
もう何も機能しない
「スタイリングガレージ」は破産を申請せざるを得なかった。最初の「アローC1」は、トーマス ゴットシャルクとマイク クルーガーが出演する映画「Die Einsteiger」に少し登場した後、破産管財に買い取られた。新しい所有者は再建を試みたが、そのプロジェクトも失敗に終わる。なぜなら、部品の型を作るはずのGRP専門会社が火災で焼失してしまったからだ。新オーナーのスポンサーであるバイエルンの大規模農場主が非常ブレーキをかけ、「アローC1」の再建はお蔵入りとなった。 この車は数十年間そのままの状態だったが、2021年にクリス ハーンが探し出した。2022年に「アローC1」が再びクリエイターの手に戻ってくるまでには、しばらく時間がかかった。ハーンは自動車業界に幅広い人脈を持っており、自身のSGS作品の多くのオーナーと知り合いだったため、コレクターに代わってこの車を買い戻すことができたのだった。
リビルドされた
クリス ハーンは、塗装が剥がされ、タンク、内装、リアウィンドウを除いては完全に解体されていた「アローC1」の再構築に取り掛かった。オリジナルのシャーシである1984年式の「メルセデス500SEC」は、長年よく持ちこたえており、錆びは一切なく、走行距離も1,000kmほどだった。鋼鉄製のルーフやドアも同様だ。GRP製のフロントとリアの部分だけが、見苦しい状態となっていた。 彼は、その部分をサンドブラストし、ガラス繊維マットとパテを使って骨組みから作り直した。ハーンと、新しく設立した会社「スタイリングガレージサービス」の従業員たちは、15ヶ月間にわたって、「アローC1」を元の状態に戻す作業を行った。 「アローC1」のエンジンルームには2種類のプレートが取り付けられている。傾斜したフロント部分をクリアするため、短いファンが取り付けらた。
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