「暗闇の世界に一筋の光」性暴力に遭った女性が感激 歴史的な「刑法の性犯罪規定」改正(後編)「同意しない意思」の価値
性暴力根絶には、被害を訴えやすくし、手厚く支援する行政の取り組みが求められる。さらに大前提として、行為時に相手の同意が必須だという認識を社会全体で共有し、性的同意に関する認識を「底上げ」することが重要だ。そのためには、性教育の抜本的な見直しも欠かせない。 「被害に遭ってから過ごしてきた真っ暗闇の世界に、一筋の光が差した気がして涙が出た」。ある被害当事者は、被害者側の訴えが「不同意」という表現で条文に反映された時の思いをこう表現した。 当事者の声で実現した今回の改正。被害者の声が持つ「力」を知ったからこそ、今回、記者も自身の経験を書くことを決めた。 しかし、誰かが痛切な経験を明かさないと社会は変われないのか。声を上げたくない、打ち明けられない人が身近にいるかもしれない。誰かが静かに流す涙に一人一人が思いをはせてほしい。 そして、今も暗闇でもがく人にはこう伝えたい。 「あなたは一人じゃない」 【前編はこちら】「相手も性交に同意していたと思う」は、もう通じない。歴史的な「刑法の性犯罪規定」改正(前編) きっかけは被害者の声、どうやって国に届けたのか