チャントラ、タイ人初のMotoGPライダーに。2025年から中上貴晶の後任でホンダ・イデミツLCRより参戦
8月29日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦している株式会社ホンダ・レーシング(HRC)は、2025年からHonda LCR(ホンダLCR)よりソムキャット・チャントラを起用すると発表した。 【写真】Moto2:チームメイトのチャントラとともに表彰台に上がった小椋藍/2023MotoGP第14戦日本GP チャントラは、25歳のタイ人ライダーだ。2015年のシェルアドバンス・アジア・タレント・カップにて、開幕戦レース1でいきなり優勝を飾り鮮烈なデビューを果たした。翌2016年にチャンピオンに輝くと、2017年からは2年間はFIM CEV Moto3ジュニア世界選手権に挑戦。 2018年に母国開催となったタイGPにてMoto3クラスにワイルドカード参戦を果たし、ロードレース世界選手権デビューを果たした。そして2019年から、IDEMITSU Honda Team AsiaよりMoto2クラスにフル参戦デビューを開始した。 参戦4年目の2022年には、第2戦インドネシアGPでMoto2クラスではタイ人初となる優勝を成し遂げ、以降も成長ぶりを発揮。2023年は自己ベストとなるランキング6位で終え、2024年もMoto2クラスでしのぎを削っている。 そんなチャントラが、2025年は自身初となるMotoGPクラスに昇格することが決まった。1996年にルーチョ・チェッキネロが立ち上げたホンダLCRから、ヨハン・ザルコとともに参戦することになる。 また、同チームでMotoGPクラスに7年間参戦した中上貴晶が2025年からHRCのMotoGPマシン開発ライダー契約に合意したことも同時に発表された。 ■ソムキャット・チャントラ 「LCRチームに加わることができて大変うれしく思う。MotoGPの世界で戦うことが夢だったが、遂にそれを実現することになった。今まで自分のキャリアを支えてくれたすべてのスポンサーと関係者の皆様に感謝したいと思う。来シーズンからは、最高峰クラスで学び、最大限の力を発揮し、この新しい冒険を楽しむことに全力で取り組むよ。難しいとは思うけど、ベストを尽くすよ」 ■ルーチョ・チェッキネロ(Honda LCR チームプリンシパル&CEO) 「我々は、HRCと同じく、ソムキャット・チャントラ選手が二輪レースの最高峰でチャンスを得るにふさわしく、彼のような素晴らしいアジアの才能を迎える時が来たと考えている。チャントラ選手は、Moto2での数年間の経験を通じて成長し、MotoGPで強いライダーになるためのポテンシャルとスキルを持っていることを示してきた。LCRとHondaは、この新しいプロジェクトのさまざまな局面で、彼をサポートするためにベストを尽くす」 ■株式会社ホンダ・レーシング(HRC)渡辺康治代表取締役社長 「ソムキャット・チャントラ選手のMotoGPクラスへの昇格を発表できることを大変うれしく思います。Hondaが長い間取り組んできた、アジアから世界で活躍できるライダーを送り出す活動が実を結び、今後も同地域でのモータースポーツ振興に大いに貢献できると考えています。最高峰クラスでさらに活躍し、多くの若者の目標となるグランプリライダーに成長してくれることを願っています」 [オートスポーツweb 2024年08月29日]