いすゞ、通期下方修正…ピックアップトラック・商用車ともに振るわず
いすゞ自動車は11日、2025年3月期連結業績予想の営業利益を24年5月の期初予想比300億円減の2300億円(前期比21・5%減)に下方修正したと発表した。ピックアップトラック(LCV)、商用車(CV)ともに販売台数が振るわず、資材費上昇なども利益を圧迫する。売上高は同1000億円減の3兆2500億円(同4・0%減)を見込む。 【表】いすゞ自動車の決算詳細 世界販売台数の計画は8月公表値比3万1000台減の54万4000台(前期は66万6000台)に引き下げた。このうちLCVは同2万3000台減の22万9000台(同35万7000台)に下げた。 LCVのタイ向けは同1万1000台減の4万9000台(同12万8000台)を見通す。期初予想の9万台に対し8月時点で3万台減の6万台に引き下げており、期中2度目の下方修正となった。山北文也企画・財務部門バイスプレジデント(VP)は今回のタイの下方修正について「季節要因なども勘案し下げきった台数計画だ」と述べた。輸出向けのLCVも中近東を中心に販売減を見込む。 CVは世界全体で同8000台減の31万5000台(同30万9000台)とした。日本国内向けは生産の遅れにより24年4―9月期の販売実績が想定を下回ったことを反映。海外向けも各国・地域の市況を踏まえた。 タイのLCV事業について、山口真宏取締役専務執行役員は「25年後半から回復する見立て。LCVは根強い需要がある」と説明。苦境の打開にはなお時間を要する見通しだが、「(既存事業の収益を原資とする)自動運転などのイノベーション投資は確実に実行する」(山口取締役専務執行役員)構えだ。