臨時情報発表から1か月、観光客をどう守る?1日分の防災セットとは…広がる備え
このほかにも、集落の奥にある高台が避難場所に指定されています。そのうちの1つを歩いてみると。 佐々木さん: 「細い路地がすごく多い。なかなか、一般の方では(難しい)」 白石アナ: 「けっこう道幅も狭くなっている」 佐々木さん: 「倒壊していたり、通りにくかったり、車が停まっていたりすることは想定される」 伊方町では広い範囲が土砂災害の危険箇所に指定され狭い道も多いため、100人を超えるお客や従業員を避難させるにはどのルートも不安要素が残ります。 佐々木さん: 「これはもう私たちだけじゃなく、どの施設も抱える問題。海沿いにある施設はそういう問題なんだろうなと。みんなで知恵を出し合いながらお客さんの安全、従業員の安全 自分たちの安全っていうのを守っていくというのがみんなと議論をしていかないと いけない」
専門家に聞く観光地での備え
観光や仕事などで普段と違う場所にいる人をどう守るべきなのか。津波から命を守る研究を進める東北大学の今村文彦教授に聞きました。 東北大学 今村文彦教授: 「複数経路を確認しておくと、人数・状況によって違う経路もご案内できるように、また住民や関係者も(避難場所を)ひとつに絞らないということも大切」 地震の揺れによって建物の倒壊や液状化、土砂災害が発生しているおそれもあるため、事前に実際に歩いてみて危険な場所がないか確認しておくことが大切だと話します。
さらに… 「突然の(災害)、また多数の方がいる場合、誘導は極めて難しいが、事前にハザードマップまたは看板、来た時に目につくような情報提供をできるだけやっておく。自主的に避難行動などをとってもらえるように」
その参考になるのが、山形県酒田市が作っているパンフレットだと言います。観光客にもわかりやすく避難ルートや気を付けるポイントが書かれています。 「飛島に行く場合は必ずフェリーに乗る。その際に船の安全ビデオのあとに避難の防災の啓発のビデオを見ていただく。必ず見ていただき、手元にはパンフレットがあって周知という面ではとても実は有効な状況になる」 海沿いの観光資源も多い愛媛県。土地勘のない人が道に迷うことで避難が遅れたり情報がなくパニックになったりしないように、分かりやすいアプローチを検討していくことが大切だと言います。