需要が大揺れ「タイの自動車市場」に異変あり
■日系各社のタイ戦略は? こうした先読みが難しい状況にあるタイ市場において、今回のバンコク国際モーターショーで日系自動車メーカー各社はどのような戦略を示したのか。各社の会見内容や展示モデルについて簡単に紹介する。 タイ市場で市場シェアの約3割を占めるトヨタは、日本でもお馴染みであるグローバルメッセージ「モビリティ・フォー・オール」や各種パワートレインを国や地域の社会環境に合わせて製造販売する「マルチパスウェイ」を強調。
ピックアップトラックでは、日本でコンセプトモデル「IMV 0(アイエムブイ ゼロ)」として公開済みのモデルを「ハイラックス チャンプ」と名付けて昨年末にタイ国内で発売し、多様な用途で活用できる利便性から販売を伸ばしている。 また、タイのリゾート地であるパタヤで、BEVピックアップトラック「ハイラックス REVO e」の実証試験を行うことも明らかにした。 いすゞは、「D-MAX」ベースのBEVを、同社として初のBEVピックアップトラックとして世界初公開。新開発のeアクスルを前後輪、それぞれに配置したフルタイム4WDで、前輪モーターの最高出力は40kW・最大トルクは108Nm、後輪モーターが90kW・217Nmで最高速度は時速130km以上だという。
駆動用電池はリチウムイオン電池で、電池パック容量は66.9kWh。この電池パック容量は一般的な乗用BEVと同程度であり、このサイズ感のピックアップトラックとしてはあまり大きくない印象だ。 導入はタイからではなく、ノルウェーなどヨーロッパの一部で2025年から。その後、イギリス、オーストラリア、タイなどに広げるという。 ■BEVバイクにも積極的なホンダ 三菱自動車は、新開発したハイブリッドシステム「e-Motion」を3列シート多目的車MPVの「エクスパンダーHEV」に搭載。タイで生産し、2月から発売を始めた。