「繁忙期だけ残業きついから」と言われて入社したけど、一年中残業がある場合どうしたらいい?残業時間の上限って?
残業時間の多さをブラック企業の判断材料としている人も多いでしょう。また中には、入社前に残業は一時的に発生すると説明されていても、実際に入社してみると毎日のように残業が発生している企業もあるようです。 そこで本記事では、どのくらいの残業量から違法になるのかや残業時間の上限はどれくらいなのかなどについて紹介します。聞いていた残業時間と実際の残業時間にギャップを感じている方は、ぜひ参考にしてください。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
時間外労働の上限規制を超えている場合は違法
残業時間が違法であるかどうかは、定められた時間外労働の範囲を超えているかで判断されます。 一年中残業が発生している場合でも、上限規制の範囲内であれば労働基準法に違反しているわけではないため、違法とは判断されないでしょう。そこで、定められた時間外労働の範囲と残業させるために必要な36協定の締結・届け出について紹介します。 ◆残業させるためには36協定の締結・届け出が必要 労働基準法では、1日・1週間の労働時間が定められています。原則として労働時間は、1日8時間・1週間で40時間以内に収まるようにしなければなりません。 しかし、業界や業種、企業によっては法定労働時間では仕事をさばききれないケースもあるでしょう。また特定の時期における繁忙期だけ残業が必要になる場合もあります。 事情があって残業が必要となる場合は、労働基準法第36条に基づく「36協定」の締結・届け出が必要です。時間外労働を行う業務の種類や時間外労働の上限を決めて、所轄労働基準監督署長へ届け出れば残業ができるようになります。 ◆時間外労働の上限規制とは 届け出をしても、無制限に残業できるわけではありません。時間外労働の上限規制により、残業できる時間の範囲が決められています。原則として、月45時間・年360時間を超える残業は認められません。臨時的かつ特別な事情がある場合のみ、上限規制を超えた残業が可能です。 ただし臨時的かつ特別な事情がある場合でも、残業時間は年間720時間以内に収めなければなりません。また、残業が月45時間を超えることができるのは年に6ヶ月が限度など、そのほかの条件も定められています。 上限を超えて労働者に残業を命じた場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。