「生きている限り」衰えぬバレエへの情熱 90歳の指導者・塚田たまゑさん 14歳で「西洋舞踏」に出会いのめり込む 教室を創設して60年 教え子には海外で活躍するダンサーも
■17歳で教室の講師に
教室に通ってバレエの基礎を学んで3年。17歳になったたまゑさんは教室の講師を任せられます。 塚田たまゑさん: 「最初にお稽古所を持たされたのが松代で、自分でポスターを書いて生徒募集の、それでのりを作って自転車にくくり付けて長野から松代まで自転車で行って、それを電信柱みんな貼って歩いて」 その後は講師をしながら舞台にも立ち、沖縄やインドなどさまざまな踊りも吸収していったと言います。 結婚もバレエが縁。国鉄マンとして働く傍らバレエを習っていた茂男さんと23歳で結婚し、2人の娘を授かりました。 31歳のとき、たまゑさんは思い切った決断します。独立して「白鳥バレエ学園」を創設したのです。
■夫のおかげ 子育てと教室の両立
当時は次女のみほりさんが生まれたばかり。子育てと教室を何とか両立できたのは夫や、幼い娘たちの面倒を見てくれた人たちのおかげだったと言います。 塚田たまゑさん: 「父親(夫)もずいぶん子育てに協力してくれるし、放り出したいときも多々あったと思いますけど、支えてくれる人たちのことを考えたらそんなわがままは許されない」
あれから60年。たまゑさんを見て成長した長女・まゆりさん、次女・みほりさんはダンス・バレエの指導者となって教室を盛り立ててきました。 長女・塚田まゆりさん: 「(母は)頑張り屋さんだと思います。すごい1つのことに対して追求心が多く、歯を食いしばって、こういく根性みたいなのがすごいんだろうな。そういうものを持って生まれた方だと思う」
■向上心 常に海外に目を
たまゑさんには指導する上で大切にしてきたことがあります。 塚田たまゑさん: 「これはローザンヌへ行った時の写真」 それは常に海外に目を向けること。2024年1月にも、スイス・ローザンヌを訪れました。 塚田たまゑさん: 「毎年、世界の若者たちの成長ぶりを見ないと、私が成長できないと思ってね」
40年ほど前からローザンヌ国際バレエコンクールに毎年参加。 2014年には当時17歳の二山治雄さんが優勝を成し遂げました。 塚田たまゑさん: 「日本の中で、ただお稽古をしたり、コンクールに出ているだけでは、世界が見られない。世界から集まる若者たちの今を勉強したくて」