月収12万円のパート勤務です。今月から社会保険が適用になると聞きましたが、手取りは減りますよね…何かメリットはあるのでしょうか?
パートで働いている人にとって、社会保険の適用範囲の拡大は気になるニュースといえるでしょう。 社会保険が適用されると手取り額が減少するのは避けられませんが、社会保険加入にはデメリットだけではなく、さまざまなメリットもあります。 本記事では、社会保険の適用範囲拡大について、長期的な視点から見た影響を考察します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
2024年10月から社会保険の適用範囲が拡大
2024年10月から、社会保険の適用範囲が拡大されました。パートやアルバイトなど短時間労働者の従業員に対して社会保険の適用を広げるもので、2016年から段階的に適用範囲が広がっています。 今回は、従業員数が51人以上の企業に影響を与えるものです。厚生労働省によると、対象となる従業員の条件は以下の通りです。 ・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満(フルタイムで働く従業員の週の所定労働時間が40時間の企業の場合) ・所定内賃金が月額8万8000円以上である ・2ヶ月を超える雇用が見込まれる ・学生ではない これらの条件を全て満たす場合に、社会保険の加入が義務付けられました。拡大の目的は、短時間労働者の社会保障を強化し、将来受け取れる年金額が増えることで老後資金の確保や、病気・けがなどのリスクに備えることが挙げられます。 ■社会保険適用によるメリット メリットのひとつは厚生年金保険への加入により、将来の年金受給額が増加することです。国民年金のみの場合と比べて、老後の生活資金の面でプラスになるといえるでしょう。 また、病気やけがで働けなくなった場合、一定期間給与の3分の2相当が支給される傷病手当金なども受け取りの対象です。 さらに、国民年金と国民健康保険においては被保険者本人が保険料を全額負担しますが、厚生年金保険と健康保険の保険料については、企業と個人が半分ずつ負担します。 ■社会保険適用によるデメリット 社会保険の適用により、雇用される側は社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)を負担する必要があるため、手取り額は減少します。 雇用する側である企業側にとっても、経済的な負担・事務負担が大きくなるといえます。