パフォーマンスを高める「戦略的休息」とは?休みをとらないのは、もはや戦略ミスでしかない
今回、共有したいのは「戦略的に休息をとることの大切さ」です。もし、日々の業務が忙しく、有給休暇を十分にとれていない、もしくは1日を振り返って空白の時間を持てていないと感じている方は、参考にしてみてください。 「昔は休みを取ることが罪悪と捉えられたが、今は逆。休まない方が罪悪だ。」これは、ファーストリテイリングの柳井正会長 兼 社長が日経ビジネス2024年7月号で語った言葉です。彼は「良い仕事をするためには、休息が不可欠だ」と強調しています。 柳井氏自身もかつては働き詰めの日々を送っていたそうですが、今では年に3回のまとまった休みをとることを習慣にし、「何もしない空白の時間を大切にする」「仕事の連絡は緊急度の高いもののみ」としているそうです。この考え方は、現代の働き方改革において非常に重要な示唆を与えています。
戦略的に休息をとることの大切さ
休息を取ることの効果には、いろいろありますが、特に伝えたいのは、創造性や問題解決能力を高める効果があるということ。なぜなら、デフォルトモードネットワーク(DMM)をオンにすることができるからです。 DMMとは、脳が休息状態にあるときに活性化するネットワークのことを言います。瞑想や散歩、ぼんやりとした時間など、何もしない時間に活性化するモード。DMMの活性化は、創造性や問題解決能力を高める効果があるとされているのです。 これに対して、集中してタスクをこなすときにはセントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)という“集中モード”が活性化します。たしかに、集中力は高まりますが、一方で「何かと何かを結びつける」「ふと、ひらめく」といった状態にはなりにくいのが、このモードです。 デフォルトモードネットワーク(DMM)をオンにする効果は? では、デフォルトモードネットワークをオンにする効果について解説を加えます。 創造性の向上 休息中に脳がリラックス状態になることで、新しいアイデアやインスピレーションが湧きやすくなります。 旅行中にふと思いつく、カフェでぼんやりしている時にアイデアが下りてくる、といった経験はないでしょうか。柳井氏がおっしゃる「空白の時間」の効果です。 問題解決能力の向上 複雑な問題であっても、休息中に無意識のうちに情報を整理し、新たな視点から問題を捉えることができます。問題と思っていたことが、実は『そこが問題ではない』と気付けることも。 「職場が忙しい…増員をすべく募集をしているけど、なかなか採用が決まらない。それが問題だと思っていたけど、考え方を変えて、採用せずとも遂行できるよう『業務を減らす』ことを考えた方がいいかも」といったように視点を変えることもできるでしょう。