目の前のストレスや不安に立ち向かう鍵は、古代ユダヤの「世界の修理」という知恵
「世界の修理」の実践はセルフケアにもつながる
ティックーン・オーラームの実践には、マインドセットを変えることが重要です。私たちのまわりにある物理的・社会的・精神的な「故障」や欠陥に気づき、その修理に積極的に取り組むという作業が伴います。つまり、問題を見出し、たとえ小さくても行動を起こして、その問題の解決に貢献することなのです。 ティックーン・オーラームの隠れた美点は、困っている人たちを助けるだけでなく、修理を行なう側にもいい効果をもたらすところにあります。利他的な活動には、心と体の健康を改善し、幸福度を高め、ストレスを減らす効果があることが研究でわかっています。自分を取り囲む世界の修理に貢献すれば、自分自身の修理にもつながるのです。 19世紀アメリカの思想家ラルフ・W・エマーソンは、成功の定義について、ティックーン・オーラームの精神を見事に要約するこんな言葉を残しています。 自分を捧げて努力すること。元気な子どもを育てる、庭の手入れをする、世の中をよくするなど、方法は何でもかまわない。世界をより良い場所にして立ち去ること。自分が生きていたおかげで、たとえたったひとりでも人生が楽になった人がいると知ることが、成功の証しである。 私たちは普通、仕事で感じるストレスや不安を、「周りの世界に対して自分が持っている影響力」に結びつけて考えることをしません。しかし、今こそ、こうした状況を変えるときではないでしょうか。 Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
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