株価、金、ビットコインの価格が驚くほど高騰する事情
「ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)」の調査でも、購入から売却を引いた金の「純購入量」は、昨年800トン(2023年1-9月)と過去最高を示している。いずれにしても、金の価格上昇の背景にはドル離れがあり、金という限られた資産に世界のマネーが集まっていることを象徴している。 ■最高値を記録したビットコイン <ビットコイン> 暗号資産を代表する「ビットコイン」の価格もこのところ史上最高値を記録している。この3月11日に、7万2739ドルを超えて史上最高値を更新。ビットコインを組み込んだ「上場投資信託(ETF)」の組成が、アメリカ証券取引委員会(SEC)に正式に認可されたことで、大量の資金が流入。時価総額は1兆3500億ドル(コインゲッター調べ、約203兆円)を超えている。
時価総額1兆3500億ドルと言えば、「銀」の時価総額1兆3600億ドルに匹敵する金額となり、その市場規模は確実に増え続けていると言っていいだろう。ちなみに暗号資産全体の時価総額は「2.8兆ドル」。金の時価総額が「14兆ドル」であることを考えると、まだまだ小さいマーケットだが、すでに台湾や韓国の証券取引所の時価総額を超えている。 ビットコインが価格を上げている背景には、何があるのか。様々な情報をまとめてみると、次のようなことが原因として考えられる。
①ETF解禁 アメリカのSECが、ビットコインを直接保有するETFを正式に認可したことで、大量の資金が集まったこと。ETFの市場規模は7兆ドルに達しており、数多くの機関投資家や個人投資家が参入してくることが予想され、暗号資産全体のステータスを上げることになると指摘されている。 ② マイニング(採掘)報酬の半減期 ビットコインは、4年に1度採掘報酬が半分に減額される「半減期」を、この4月に迎える。過去の半減期では常にビットコインの価格が上昇してきたため、現在の1ビットコイン=7万ドル前後というレベルも、半年後には11万5000ドル台になるのではないかという専門家も存在する。